一線を画すのは「NVIDIA Quadro K3000M」グラフィックス

続いてマシンのスペックを見ていこう。CPUにはIntel Core i7-3610QM、チップセットはHM77が採用され、HDDは500GB、PC3-12800のメモリが8GB搭載されている。

4コア8スレッドのマルチコアCPUを採用しているとはいえ、この部分を見るとハイエンドのコンシューマ向けノートPCとあまり大きな違いは無い。やはり、このマシンが大きく一線を画しているのは、「NVIDIA Quadro K3000M」を搭載している点だろう。

CPU-Zの各項目

「NVIDIA Quadro K3000M」は、プロセッサネームから見ても分かるように、Keplerアーキテクチャを採用した最新のGPUになる。

メモリ帯域幅や描画能力の向上などのほか、NVIDIAが提供する様々な機能をサポートする、プロ用の製品だ。中でもK3000Mはモバイルワークステーション向けモデルの中でもハイエンドに分類されるので、より高い処理能力が期待できる。細かな性能については下記を参照してほしい。

GPU-Zの各項目

メモリ帯域幅に関しては89.6GB/secと他のモバイル用Quadroと比較しても圧倒的な能力の高さを持っている。また、前モデルの「Quadro 3000M」が持つCUDAコアは240基だったが、「Quadro K3000M」では576基と飛躍的にCUDAコア数が増えている。

「Quadro K3000M」と「Quadro 3000M」のスペック
GRAPHICS FEATURES Quadro 3000M Quadro K3000M
Mobile Platform Generation Huron River Chief River
NVIDIA CUDA Parallel Processor Cores 240 576
Memory Size 2GB 2GB
Memory Type GDDR5 GDDR5
Memory Interface 256-bit 256-bit
Memory Bandwidth 80.0GB/sec. 80.0GB/sec.
Max Power Consumption, TGP (Graphics Sub-System) 75W 75W
OpenGL 4.3 4.3
Shader Model 5.0 5.0
DirectX 11 11
PCI-E Generation 2 2
Display Port 1.1 1.1
Precision FP32 FP32

こうしたグラフィックス単体の能力の高さを見てもコンピュータを使った作業で、より高速なレスポンスが期待できるのも理解していただけるだろう。

前述した通り、NVIDIA Quadroはエンジニアやクリエイター向けに設計されているグラフィックスだ。いわゆるゲームやPC向けの動画の描画能力などに特化させているものではない。「m-Book P5300」シリーズは、ノート型の筐体を採用しながら、プロ向けのグラフィックスを搭載していることに大きな意義があるといえる。

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