2段式の前面用紙カセット

本体前面には2段方式の用紙カセットが配置されている。カセット上段にはL判やはがき、六つ切りサイズの用紙をセット可能だ。一度にセットできる枚数は官製はがきで最大40枚まで。下段カセットははがきや封筒、A4用紙などをセット可能で、最大枚数はA4サイズの普通紙で最大125枚までとなっている。

さらに便利なのが、印刷時に排紙トレイが自動的に開く「スマートトレイ」だ。印刷を開始すると排紙トレイと用紙サポーターが自動的に展開するため、排紙の際の用紙づまりなどのトラブルを防げる。閉じるのは手動だが、用紙サポーターが自動的に折りたたまれるため余計な手間がない。

本体の前面下部に2段式の用紙カセットを用意。用紙を変える手間を省けるので便利だ

印刷開始時に自動的に排紙トレイが開く「スマートトレイ」を採用

メモリカードは、排紙トレイを開いた状態で利用する。本体前面の左端に、3種類のメモリカードスロットを用意。対応メディアはSD/SDHC、CF、メモリースティックDuo/PRO Duoなど。今となってはCFに対応している点が珍しいが、 EOS 5D Mark IIIなどのデジタル一眼レフをラインナップに持つキヤノンならではの配慮だと言えるだろう。

そのほかのインタフェースとしては、IEEE802.11b/g/n対応の無線LAN、PC接続用のUSB端子、10BASE-T/100BASE-TX対応の有線LAN端子、電源コネクタが用意されている。最近は有線LAN端子を搭載するインクジェット複合機が少なくなったが、PIXUS MG6330であれば会社の有線ネットワークなどでも利用可能だ。

3種類のメモリカードスロットを搭載。PCなしで写真印刷が可能なダイレクトプリントに対応

背面の右に設置された電源コネクタとPC接続用のUSBコネクタ、10BASE-T/100BASE-TXの有線LANコネクタ

インテリジェントタッチシステムで操作に迷わない

ユーザーインタフェースには3.5型の液晶タッチパネルと、静電式のタッチ操作パネルを採用。ボタン類が一切ないスッキリとしたデザインだ。と言ってもすべての操作を液晶ディスプレイで行うわけではない。操作パネル上に光で浮かび上がるキーを押すことで、コピーやキャンセルなどの操作を行うのだ。「インテリジェントタッチ」と呼ばれるこのシステムでは、状況に応じて操作可能なキーだけが浮かび上がるため、間違いがなく操作が分かりやすい。

液晶ディスプレイのサイズは3.5型(写真左)。フリックなどのタッチ操作が可能で、スマートフォンのような感覚で操作できる。操作パネルには光でキーを知らせる「インテリジェントタッチシステム」を採用(写真右)

液晶ディスプレイも操作パネルも、大きくて余裕がありとても使いやすい。少々気になったのは、メニューによってフリックする方向が横と縦に変わる点だ。項目数が増減するため仕方がないとはいえ、どちらかに統一したほうが分かりやすかったのではないだろうか。

定番となった付加機能も継続

動作音を抑えられるサイレントモードを搭載。夜中にプリントしたい時に便利だ

プリント解像度は最大9,600×2,400dpiで最小インク滴は1pl、総ノズル数は6,144ノズル。試しにA4文書を印刷してみたところ、カラーとモノクロのどちらでもインクのかすれはなく、文字もシャープに印刷された。特に黒の印刷には水に強い顔料インクが使われているため、マーカーを使ってもほとんど滲まないのがうれしい。

また、本体や付属ソフトから印刷時の動作音を抑える「サイレントモード」を利用可能。サイレントモードの有効時と無効時では駆動音が23%程度抑えられるとのことだ。サイレントモードでは印刷速度が低下するため、モードの切り替えを忘れずに行っておこう。例えば、A4文書のカラーコピーでは「標準」品質で10秒程度も遅くなり、L判プリントでも3~4秒程度遅くなる。急いでいるときは、サイレントモードをオフにしたほうがいい。

「インテリジェントタッチシステム」の一例。液晶モニタの左右に注目。操作に必要なタッチボタンだけが光る

そのほかの印刷機能としては、自動両面印刷やCD/DVD/BDレーベルプリントなどに対応している。自動両面機能はもはや定番の機能となりつつあるが、PC側での設定をつい忘れてしまうことも多いだろう。そんなとき本体の液晶メニューで自動両面設定を行っておけば、文書印刷時だけでなくコピー時にも適用される。用紙の節約になるので、積極的に活用したい。

スキャナ機能は光学解像度が2,400dpiで、イメージセンサーはCIS。家庭向けとしては十分な性能を備えている。文書のスキャンはもちろん、紙焼き写真のデジタル保存にも向いているだろう。スキャンした文書はJPEGやPDFで保存可能。付属のOCRソフト(パナソニックソリューションテクノロジーの「読取革命Lite」)を使えば、全文検索もできるようになるので便利だ。

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