続いて、MG5430の印刷速度の検証結果を紹介しよう。本体のウォームアップを終わらせた状態でA4文書のカラーコピーとモノクロコピーを行ったところ、カラーコピーでは給紙から排紙まで「標準」品質で15.1秒、「はやい」で10.4秒という結果に。モノクロコピーはカラーコピーよりもやや速く、「標準」で7.3秒、「はやい」で6.3秒だった。ただし、コピーボタンを押してから給紙されるまでにしばらく時間がかかる点に注意していただきたい(割とすぐに処理が始まることもある)。

SDHCカード(Class10)を利用したダイレクト印刷では、L判光沢紙にプリントするのに19.2秒かかった。MG5430ではダイレクト印刷時の印刷品質が設定できないが、印刷にかかった時間から推測すると「標準」品質で印刷が行われているのだろう。

コピー原稿は「JEITA標準パターン J12/Ver.1」(写真左)、L判フォト用紙のダイレクト印刷例(写真右)。スキャナで読み取ったものなので参考程度に

PCからの写真印刷とはがき印刷の検証には、付属ソフト「My Image Garden」を利用した。ダイレクトプリントと同じ写真を使い、給紙から排紙までにかかった時間を計測してみたところ、「標準」品質で17.5秒、「きれい」で40.2秒とい結果に。2つの印刷品質を比べてみると、「標準」のほうが色合いがハデで「きれい」のほうが自然に見える。ただし「標準」品質でも十分美しいので、プリントする内容に応じて使い分けるといいだろう。

同じ画像をはがき印刷して計測したところ、インクジェット用はがきの「標準」品質で19.5秒、「きれい」で36.8秒、光沢はがきの「標準」品質で36.4秒、「きれい」で48.1秒という結果だった。年賀状用に100枚のはがきを「標準」品質で印刷と仮定すると、インクジェット用はがきでおよそ33分、光沢はがきは1時間程度で終了する。年末の忙しい時期に、作業を手早く終わらせられるのはありがたい。

コストと品質のバランスを重視したモデル

MG5430とその上位モデルであるMG6330の主な違いをまとめると、MG5430は「インクが5色」「タッチ非対応」「有線LAN非対応」の3点が挙げられる。これくらいならば、少し予算を上乗せしてMG6330を選ぶ人もいるだろう。実際、MG5430の実売価格は20,000円ちょっとなのに対し(2012年12月中旬時点)、MG6330はそこから2,000円程度の差しかない。6色インクで写真印刷が美しいMG6330のほうがお得に感じるかもしれない。

ただ、写真を大量に印刷することを考えると、印刷コストが安いほうが有利だ。MG5430では、L判印刷時の印刷コストがMG6330に比べて0.8円安い(大容量インクカートリッジ使用時)。1枚あたりの差はわずかだが、大量の写真を印刷するとなるとその差は無視できなくなるだろう。A4サイズでの印刷やコピーを含めれば、ランニングコストの差はもっと開くはずだ。

印刷クオリティに関しては最高レベルとまではいかないが、十分満足できる品質である。ランニングコストを抑えつつ可能な限り高い品質で印刷したいという人、そして多機能性も求める人には、MG5430が向いているだろう。

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