さらに、国内ではBS/CS、CATVで170以上のチャンネルがあり、約20%・1,000万世帯が有料チャンネルを楽しんでると小牧氏は指摘。しかし、スマートフォンではワンセグによる地上デジタル放送か、一部のオンデマンド配信ぐらいしか見られず、有料チャンネルの視聴はできなかった。NOTTVでは、提携各社の有料番組を配信する。

有料チャンネルの提供局

例えば競馬予想TV

アニメーション番組では、「偽物語」「妖狐×僕SS」「Fate/Zero」「エウレカセブンAO」といった番組を、平日夜10時30分から放送する。海外ドラマでは「アンダーカバー」「神のクイズ」を放送。最新シリーズの第1話だけを放送する「一話一会」も用意する。

小牧氏は、「スマートTVの本命は、テレビ画面にインターネットコンテンツを重ねて表示する"シングルスクリーン"方式ではなく、手元のスマートフォンやタブレットと連動する"ダブルスクリーン"方式」と説明。NOTTVでは「積極的に地上デジタル放送と連動する」と強調する。

コンテンツを配信する蓄積型放送

もう1つの放送形態である蓄積型放送では、「音CLIP♪シンチャク」「音CLIP♪トクシュウ」からミュージッククリップを毎日配信。いつでもクリップを視聴できる。番組情報を毎日配信する「NOTTV INFO」、その週に公開されるすべての映画の予告編を毎週配信する「映画予告編ぴあ~全部のせっ」、さらに前日のニュースをまとめたニュース番組も配信する。

例えば音楽クリップを配信

電子書籍では、DIME、TokyoWalkerなどの各エリアウォーカー誌を、プレミアムコンテンツとして別料金で配信する予定。こうした蓄積型コンテンツと連動した「スマホのトリセツ」番組も放送する。スマートフォンのアプリを紹介し、そのアプリリストを配信する。

雑誌も配信する

こうした蓄積型放送のコンテンツはさらに拡充していく意向だ。NOTTVでは、当初蓄積型放送を重視していく方針だったが、スマートフォンが急速に普及していく中、強みを生かすためには生放送に注力すべきと判断。蓄積型放送向けの帯域は縮小した。帯域が狭くなったため、コンテンツ配信に時間がかかるようになり、当初は「スモールスタート」(二木社長)になる。ただ、帯域の変更は容易で、リアルタイム型放送と蓄積型放送の反応を見ながら調整し、「一番いい帯域の使い方をしていきたい」(同)考えだ。

災害に強いNOTTVを目指して

昨年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの人が携帯を持っていたが、通信がつながらないことも多かった。それに対してNOTTVは、高台の電波塔から放送波を送るため、小牧氏は災害に強い点をアピールする。リアルタイム放送中に気象庁から緊急地震速報が発せられた場合、「2秒以内」(小牧氏)というスピードで速報が画面に表示されるという。NOTTVではニュースチャンネルで24時間ニュース番組を放送しているほか、ほかのチャンネルでも、ウェザーニューズのスタジオからの生放送をいつでも割り込ませて放送できる。また、災害時に暗号化を解除して未契約者でも見られるようにすることも可能だという。

緊急地震速報に対応するほか、画像で災害情報を配信できる

さまざまな情報を配信できるほか、24時間のニュース放送でも対応する

安否情報、計画停電情報、通信の復旧情報などの災害情報を画像として配信することも可能だ。小牧氏は、「カバーエリアはまだ全国ではないし、独自の報道網も持っていない。しかし、どのメディアよりも災害時に役に立てるNOTTVでありたい」と意気込む。

小牧氏はNOTTVについて、「これだけのコンテンツが月額420円で、コンテンツ側としては安すぎる」とアピール。同社では2012年度中に100万契約、そして2015年に600万契約を獲得して単年度での黒字化を目標としている。

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