さて、次は外付けHDDへの録画だ。テレビでは、USB接続方式の外付けHDDを用いた録画機能がもはや一般的だ。中には3チューナーを搭載し、番組を視聴中でも別の2番組を同時録画できるモデルも存在している。となると、「単体のデジタルレコーダーの存在意義は?」という疑問も浮かんでくるのだが、テレビの場合、多くは録画するテレビとHDDとが1対1で結びつけられている。そのテレビで録画した番組は、そのテレビでしか視聴することができないというわけだ。iVDR-Sを採用している日立の「Wooo」シリーズなどの例外はあるものの、テレビを買い換えた際は、それまで録画していた番組が視聴できなくなってしまう。

レコーダーに関してもHDDと1対1で結びつけられている点は変わりないのだが、光学ドライブを内蔵していれば、別のプレイヤーで再生できる形(BD、DVDなどのディスク)で書き出すことが可能だ。この書き出しという点でも、録画対応テレビではBDドライブを内蔵しているオールインワンタイプのモデルを除けば、不可能なことが多い。BDレコーダーを接続してダビングを行ったうえで、レコーダーで光学メディアに書き出すという手段を取ることもできるが、非常に面倒くさい。録画して視聴するだけなら不満点が少ない録画対応テレビだが、形に残すとなると、やはり専用のレコーダーに分がある。

下の写真のようにBDZ-AT970Tは、背面パネルに2基のUSBポートを搭載している。1基はHDD専用で、もう1基は無線LANアダプタ用だ。ちなみに、無線LANアダプタ用のポートに外付けHDDを接続しても認識されない。ソニー製の「HD-D2」「HD-EG5」の他に、アイ・オー・データ機器バッファロー製HDDが動作確認済みだが、USB接続タイプのHDDならば基本的には動作しそうではある(USB 1.x時代のものはさておき)。というわけで、手元にあったHDDケースと内蔵式HDDの組み合わせで試してみることにした。使用したHDDはシーゲイト製「ST3750640A」、IDE対応の750GBモデルだ。HDDケースは以前、秋葉原にて1,000円前後で購入したもの。メーカー名などは不明だが、よく見かけるタイプなので割と一般的な製品なのだろう。

HDD用と無線LAN用の2基のUSNポートを装備する

手元にあったHDDとUSBタイプのHDDケースを使用

USB接続HDDを使用するにはまず、そのHDDを登録する必要がある。「XMB」(クロスメディアバー:同社のレコーダーやテレビなどで採用している縦横にスクロールするメニュー)の「設定」メニューから「本体設定」を選び、次に「外付けUSB HDD」を選択。さらに、「外付けUSB HDD設定」画面で「USB HDD登録」を選択する。これで上手くいけば何の問題もないのだが、筆者の場合は「USB HDDを認識できない」という旨のメッセージが表示された。何度か試してみた結果わかったのだが、接続する外付けHDDはレコーダーにつなぐよりも先に電源を入れておく必要があるようだ。外付けHDDに電源を入れ、スピンアップ後にUSBケーブルを接続するか、外付けHDDのスピンアップ後にレコーダーの電源を入れるという順番でないと、正常に認識されないようだ。ともあれ、手元にあった普通のHDDとHDDケースの組み合わせでも問題なく使用できている。PCで使っていたが不要になったドライブがある場合、有効活用できそうだ。

「本体設定」から「外付けUSB接続HDD設定」を選択

「USB接続HDDの登録」を選択 USB接続HDDの電源を、本体よりも先に入れておかないと認識しない