製品ラインナップ
さて次は、今回発表された製品ラインナップをご紹介する。今回はMobile向けの3つのラインナップ(Photo24)が発表された。Mobile向けの3つとは先にPhoto11で示したAMD A8/A6/A4で、今後恐らく近日中に追加発表されるだろうDesktop向けには4つ、AMD A8/A6/A4の他、AMD E2が追加されるようだ(Photo25)。モバイル向けに当初用意される製品はこちらの通り(Photo26)となっている。この製品のポジショニングとしてAMDが考えているのはこんな感じ(Photo27)である。AMDからは、これが良い競合状態になるという事を説明する大量のプレゼンテーションも公開されたが、これらは今回ベンチマークで確認することなので、ここでは割愛する。面白いのは、Dual Graphicsの構成である。内蔵GPUとは別に、PCIe経由でGPUを接続し、CrossFireで動作させるという構成は当然可能になるのだが、この場合には型番が変わる、という不思議なルールになっている。Photo28がMobile向け、Photo29がDesktop向けであるが、こんな具合にGPUの型番が変化するというルールになるようだ。
Photo26: 写真が小さくて恐縮だが、いずれも35Wないし45WのTDP枠で、CPUコアの定格は1.4~1.9GHz、TurboCore稼動時で2.3~2.6GHzとなる。 |
Photo27: ミッドレンジはともかくハイエンドがA8でCore i7と勝負になるのか、というのはかなり厳しい気がするのだが、まぁこれは後でしっかり確認してみることにしたい。 |
Photo28: これは、たとえばA8-3530MX(内蔵GPUはRadeon HD 6620G)にWistler XT(Radeon HD 6770M)を追加すると、システム全体としてのGPUの型番がRadeon HD 6775G2になるという話である。 |
Photo29: 各々のSKUの詳細はPhoto25でも確認できる。 |
Dual Graphicsについてもう一つ。従来は統合型GPUだと性能が低いので、Discrete Graphicsを搭載することで性能を改善するという話で、具体的にはNVIDIAのOptimusとかAMDのPowerXpressの様に負荷状況とか電力供給状況に合わせて動作するGPUを動的に切り替えるという話になってきたわけだが、A8/A6/A4とRadeon HD 6000シリーズを組み合わせた場合にはCrossFireとして両方のGPUを使うことが可能になり、より高いGPU性能を得ることが可能としている。具体的にはAFRを使うことで性能を改善できる(Photo30)という話である。ただこのCrossFireはあくまでもAFR動作のみで、それ以外の方法はサポートされないほか、Discrete GraphicsについてもRadeon HD 6000シリーズのみで、旧来のRadeon HD 5000シリーズは今のところ未サポートとの事。ノート向けではそれほど問題とはならないだろうが、デスクトップ向けにLlanoが出てきたときにちょっと問題が出るケースはありそうだ。
Photo30: この例では内蔵GPUで2フレーム、Discrete GPUで3フレームという処理であるが、具体的に内蔵GPUとDiscrete GPUで何フレームずつ処理を分担するかに関してはアプリケーションプロファイルを元に決め打ちしているそうである。 |
またパッケージについてだが、AMDはAPUで新しいカラフルなパッケージを採用することにしたそうである(Photo31,32,33)。
最後にチップセットについてだが、Llanoでは、今回のモバイルではSocket FS1、デスクトップではSocket FM1という新ソケットを採用する。これはUMI以外にDisplay出力も必要になるから既存のSocketでは対応できないためである。既にCOMPUTEXでは、Socket FM1のマザーボードが大挙展示されていた訳で、いまさら驚くことではない。こちらのレポートにもあるように、このSocket FM1に対応するチップセットにはAMD A75とAMD A55の2種類がある。一方Socket FS1では、AMD A70MとAMD A60Mの2種類を用意する(Photo34)。