ベンチマーク環境
さてベンチマーク環境であるが、表1に示す通りである。Llanoの評価用ノートに環境を合わせる形で、IdeaPad Y570のHDDを7200rpm 250GBのもの交換(本来は5400rpm 750GB)、OSも英語版のWindows 7 Home Premium SP1 64bitに入れ替えている。またIdeaPad Y570はHDDとは別に64GBのSSD Rapid Driveを搭載してシステムの高速化を図っているが、今回はこのドライバを含め、関係ないドライバやユーティリティはインストールせずに利用している。これはLlanoの評価用ノートの方も同じ状況である。
■表1 | |||
Llano | SandyBridge | Phenom II | |
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Model | Llano Reference | Lenovo IdeaPad Y570 | ASUSTeK M4A89TD PRO USB3 |
CPU | AMD A8-3500M | Core i7-2630QM | Phenom II X4 965 BE (1.4/1.5GHz駆動) |
BIOS | BIOS 016 | Lenovo 47CN25WW V2.03 | Version 1006 |
Memory | DDR3-1333 CL9 2GB×2 | DDR3-1333 CL9 2GB×2 | DDR3-1600 CL9 2GB×2 (DDR3-1333 CL9として利用) |
GPU | RADEON HD 6620G / RADEON HD 6630M |
Intel GMA3000 / GeForce GT 555M |
RADEON HD 6850 |
Driver | 8.834 Win7_Vista Apr26_Rev2 | Intel Inf Driver 9.2.0.1021 / Intel Graphics Driver 15.21.13.64.2342 / NVIDIA Graphics Driver 267.43 |
Catalyst 11.5 |
HDD | HGST HTS725025A9A364 NFTS | HGST HPT725050LGA360×2(RAID 0) NFTS | |
OS | Windows 7 Home Premium + SP1 64bit 英語版 |
また、Sandra及びRMMAの比較用に、Phenom II X4 965 BEも用意した。こちらは1.4GHzないし1.5GHzでの駆動となっている。1.5GHzの方はSandraのテスト用で、こちらはA8-3500Mの定格動作周波数にあわせたものである。では1.4GHzは? という話であるが、Llanoの場合CPUの動作周波数もVISION Engine Control Centerで制御可能である(Photo74)。が、この場合は自動でTurbo COREが動作してしまう。このためRMMAを実施すると、正しくスコアが取れないという問題がある。RMMAは起動時に1.5GHz駆動という情報を得て、それにあわせてタイマーを設定するが、実際はTurboが効いて2.4GHzで動くため、数字が60%upになってしまうという問題だ。実際試してみたところ、NOPのDecode Bandwidthが最大4.8Bytes/cyelcになる(Photo75)という有様である。もちろんRMMAの稼働中、「常に」TurboCoreが有効になって2.4GHzで動作してくれているならば、単純にスコアを換算すれば済むのだが、Turboは消費電力や温度などにより倍率が変動するから、単純にスコアを1.6で割っても正しい値になるとは限らない。
ところが面白いことに、最小/最大動作周波数を1.5GHz未満に落とすと、Turbo COREが稼動しなくなることが確認できた(Photo76)。この状態で測定すると、実際は1.4GHzで動作しているにも関わらず、タイマーは1.5GHzを想定して稼動するので、スコアはずれるが、今度はずれる比率は一定なので換算は容易である。これにあわせてPhenom IIも1.4GHz動作でRMMAを実施した。
なおグラフ中の表現であるが、
Llano noCF | Llano評価機でCrossFire無効 |
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Llano CF | Llano評価機でCrossFire有効 |
PhenomII | Phenom IIを1.5GHz(Sandra)もしくは1.4GHz(RMMA)で稼動 |
SandyBridge | IdeaPad Y570をIntel HD 3000を使って稼動 |
GT555 | IdeaPad Y570をGeForce GT 555を使って稼動 |
となっている。IdeaPadに関してはOptimusのControl Panelで、自動切換えか、明示的にどちらかのGPUを使うかを選択できるため、今回は明示的にGPUを選択してそれぞれ動作させてみた。