米AMDは、台湾・台北市で19日(現地時間)に開催されたパートナーイベント「AMD Technical Forum and Exhibition(TFE) 2010」の基調講演の中で、32nmのプロセスルールで製造されたFusion APU「Llano」(開発コードネーム)の半導体ウェハを初公開し、あわせて、初のパフォーマンスデモも実施した。

「Llano」のウェハを世界で初めて公開するChris Cloran氏

Fusion APUは、CPUとGPUを1つのプロセッサダイ上に統合したAMDの次世代製品。APUとは、同社がCPUやGPUとは異なる製品という意味を込めた「Accelerated Processing Unit」の略だ。そのFusion APUのうち、メインストリームデスクトップ向けのクアッドコア製品が、今回の「Llano」である。Llanoは、最初に投入される世代のFusion APUでもあり、現時点では、2011年の上半期中にサンプル出荷が予定されている。

「Llano」のプラットフォーム概要

同社クライアント担当Corporate VP and GMのChris Cloran氏が、基調講演中に「Llano」のウェハを公開した。あわせて実施された動作デモンストレーションも世界初公開で、Windows 7上で、円周率計算を実行しながら、Blu-rayビデオのデコードも実行し、同時にDirectComputeを利用するn-Bodyベンチマークを走らせるという内容だった。

動作デモンストレーションを初公開。この時のn-Bodyのスコアは30GFLOPSオーバー

なお、デモでのn-Bodyのスコアは約30GFLOPSを出せており、これは、同社の説明によれば、「プレイバック中にビデオの後処理をしたり、DirectX 11対応ゲームをプレイしたり、CPUコアが非グラフィックアプリケーションをアクセラレートしたりできる数値」という。