2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震発生後に多くの地域で電話がつながりにくいといった状況が続いた。電話もつながらず、キャリアメールなども送受信できない、といった状況に陥った人もいただろう。そんな中、通信インフラとして活躍したのがTwitterやFacebookなどのソーシャルサービスで、安否確認や避難所情報などのやり取りが盛んに交わされた。同時に、それらのソーシャルサービスを手軽に利用できるスマートフォンの便利さを実感したスマートフォンユーザーも多いと思う。
そこで本稿では、Androidスマートフォンでできる地震対策をテーマに、KDDIのAndroidスマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」(以下、HTC EVO WiMAX)を使って、地震の際に役立つAndroidアプリやWebサイトを紹介していく。
地震情報を入手する
携帯電話各社が携帯電話に向けて一斉配信している「緊急地震速報」は、現在のところHTC EVO WiMAXは対象外となっている(5月17日に開催されたau夏モデル発表会でKDDI 田中社長は「ダウンロードで対応する」とコメントしている)。緊急地震速報が提供されるまでの代替として、「なまず速報 β」を利用してみてはいかがだろうか? なまず速報 βは地震情報をプッシュ通知するアプリで、現在地を選択し、震源地までの距離と地震の大きさを組み合わせて通知条件を設定できる。通知音や音量なども設定でき、マナーモードを自動で解除して音を鳴らすことが可能だ。電波状況などによっては通知されないことも想定され、過信は禁物だが、インストールしておくと心強いアプリだ。
地震が発生した後は、気象情報アプリの「ウェザーニュースタッチ」で、詳しい情報をチェックしよう。ウェザーニュースタッチでは天気予報のほか、地震や津波の情報も確認できる。「地震Ch.」では、震源地と各地の震度をマップで確認することが可能。「津波Ch.」では津波の警報や注意報を確認できる。
テレビやラジオなどが近くにないような状況でも、これらのアプリを使ってHTC EVO WiMAXで地震の最低限の情報を入手することが可能である。
コミュニケーション手段を確保
地震発生直後には、東京でも電話がつながりにくくなったり、携帯のキャリアメールの送受信がしづらくなった。家族や友人と連絡が取れず、心配した人も多いだろうと思う。ここから、電話やメールが使えない場合のコミュニケーション手段について見ていきたい。
電話がつながりにくい場合でも、パケット通信が使える可能性があり、その際にはパケット通信を使って通話ができるSkypeなどのVoIPアプリが電話の代用となる。Skypeもよいが筆者は、バックグラウンドで起動しておかなくても呼び出し可能な「Tango Video Calls」を推薦したい。
Tango Video Callsは、電話番号を入力して登録するため、HTC EVO WiMAXのアドレス帳を読み込んで、Tango Video Callsを使っている人を見つけられる。相手のIDなどを知らなくても、電話番号だけで電話をかけられるのが特徴だ。AndroidアプリのほかにiPhoneアプリもあるので、電話したい相手がiPhoneユーザーでもアプリをインストールしていれば通話可能だ(iPhone 3Gは非対応)。バックグラウンドで起動しておく必要がないので、バッテリーの消耗も少ない。また、HTC EVO WiMAXのカメラを使えばビデオ通話も可能だ。相手の顔を見て通話できれば、より安心感が得られるだろう。
続いてテキストでのコミュニケーションを考えてみよう。まずメールだが、HTC EVO WiMAXではGoogleのWebメールサービスである「Gmail」が使いやすくなっている。Gmailは地震直後でも問題なく使えたと言われており、筆者も利用できるのを確認した。Gmailを使っていれば送受信ができないといった事態を回避できそうだ。