ハードも回線もハイスペック
本体背面に設置されたキックスタンドもHTC EVO WiMAXの特徴のひとつだ。スタンドを出すと、本体を横向きにした状態で自立させることができるので、そのまま映像鑑賞に便利だろう。横向きにすると充電端子が本体横に位置するようになるので、充電しながらYouTubeやUstream、ニコニコ動画のような映像配信サービスを常時閲覧したり、撮影/保存した動画を再生する、といった使い方が可能だ。
この状態で、HTC EVO WiMAXを置き時計として利用できる「置き時計」アプリも便利。起動すると、現在日時、現在地の天気を表示してくれる時計アプリで、世界時計やストップウォッチなどの機能もそなえており、さらに時計下にあるアイコンをタッチすると、横向き画面になって現在日時だけを表示する置き時計モードになる。また、時計モードでそのまま放置していても、しばらくすると自動的に置き時計モードに変わる。ナイトモードも備えており、明るさを抑えて日時を表示してくれる。
このほか、本体下部に設置されているマイクロHDMI端子についても触れておきたい。HDMIケーブル経由でHTC EVO WiMAXを液晶テレビなどに接続すると、本体の映像をテレビ側に出力できる。撮影した写真やHD動画、YouTubeやUstreamなどの配信映像を、さらに大きな画面で楽しむことが可能だ。
ストレスフリーの通信環境を実現したスマートフォン
様々な機能を搭載したHTC EVO WiMAXだが、バッテリー持続時間が気になるところ。仕様上では連続待受時間が約340時間、連続通話時間が約290分となっている。普通の携帯電話で想定される利用シーンで使用していれば、バッテリーの持ちに問題はなさそうだ。
だがハードに使用した場合はどうだろうか? そこで、バッテリーを激しく消耗するであろうテザリング機能とカーナビアプリ「EZ助手席ナビ」を、それぞれ電源が切れるまで継続利用してみたが、テザリングが約2時間30分、EZ助手席ナビは約4時間と少々心もとない結果。他のスマートフォンと同様に「モバイルバッテリーなどで、こまめに充電したり、複数バッテリーを用意したりする必要がありそうだ」と考える方も多いだろう。しかし心配ご無用。HTCでは、こういったバッテリー切れ対策として、バッテリーを2個同梱して出荷する。ユーザーはHTC EVO WiMAXを購入した段階で、予備バッテリーをバックに忍ばせおくことが可能だ。こういったメーカーのユーザーへの配慮は大変評価できる。
ここまでHTC EVO WiMAXの通信機能や端末の仕様を駆け足で紹介してきたが、同モデルは、高速なWiMAXとエリアの広い3Gをシーンに応じて選択できるストレスフリーの通信環境を実現したスマートフォンだ。加えてテザリング機能により、様々な無線LAN機器を接続することも可能。ポータブル無線LANルーターとしても強力な一台と言える。
日本独自のサービスであるおサイフケータイやワンセグ、au独自サービスのEZwebメールなどに対応しないといった点はあるが、それを除けば高い完成度のハイスペック端末に仕上がっている。
(マイコミジャーナル編集部 / 撮影:黒田彰)