高速通信を他の端末でも利用できるテザリング
3GとWiMAXに対応した通信機能とともにHTC EVO WiMAXの大きな特徴となるのが「テザリング」機能だ。
テザリングは、WAN側の回線をWiMAX/3G、LAN側の回線を無線LANとすることで、ポータブル無線LANルーターとして利用するというもの。この機能を使うことで、PCや音楽プレイヤー、タブレット端末、携帯型ゲームなどの無線LAN対応機器をHTC EVO WiMAXのWiMAX回線に接続することができる。
テザリングを利用するには、設定の「無線とネットワーク」から「Wi-Fiテザリング」のチェックボックスをオンにし、その下にある「Wi-Fiテザリング設定」でルーター名(SSID)、セキュリティ設定、パスワードの3項目を設定する必要がある。
ルーター名は、他の無線LANルーターと区別するために任意の英数字を設定しておけばよい。他人から見られる情報なので、名前などの個人情報は含まれないような名称がいいだろう。セキュリティの設定では、他人が勝手に無線LANを利用しないように、無線LANの暗号化を行うことができる。基本的には「WPA2(AES)」を設定し、8~63文字まででなるべく長い暗号を設定しておけばよい。
いずれにしてもテザリング機能は、SSIDとセキュリティ設定をするだけで利用することができる。接続するデバイスの無線LAN設定から、先ほど設定したSSIDを選択し、設定したパスワードを入力するだけで簡単に利用可能だ。一旦接続してしまえば、次回使う際も自動接続される(無線LANデバイス側の設定次第だが)。前述した通り通信速度は、数Mbps出るので、固定回線の代わりとしても十分利用できそうだ。
同時接続できるデバイスは8台まで。PCやiPod touchのような音楽プレイヤー、iPadのようなタブレット端末だけでなく、同じようなスマートフォンの回線をWiMAXに一本化するといった使い方も可能だろう。
リーズナブルな料金プラン
利用料金は、前述した通り通常の携帯電話月額利用料にプラス525円で使い放題。どんなにWiMAXを利用しても追加料金は必要ない。逆に全く利用しなかった月は525円の追加料金は不要だ。8月利用分までは追加料金無料のキャンペーンも実施されている。
WiMAXサービスは帯域制限がされておらず、どれだけ使っても定額だ。だからといって、無秩序な利用は推奨されないが、大容量ファイルのやりとりも自由に行える安心感はある。
3GとWiMAXを使い分ければほとんどの場所で通信ができるというのもメリットだ。しかも、3G回線利用中でもテザリングを利用することができる。3G接続は1カ月の利用パケット量が5GBを超えた時点で3G回線の通信速度制限が実施されるが、緊急用として考えれば十分な容量だろう。なお12年1月までは、この制限も行われないので当分は容量を気にせず利用可能だ。