待望の年末年始、まとまった休暇に何をしようかと楽しみにしている方も多いはず。残念ながら、まだ予定が決まっていないという人は、この機会に話題のネット動画などをまとめてゆっくりとチェックしてみるのはいかがだろうか? 今回は、数あるネット動画の中から、iPhoneやiPadをはじめとした様々なガジェットを使ってクリエイター自らが作品を作り、演奏やパフォーマンスを繰り広げる、音楽系「iPhone&ガジェットムービー」を紹介していこう。

iPadでオーケストレーションを再現し話題になった動画


高品位なiPhone用シンセアプリ「Noise.io」やDJアプリ「Touch DJ」などを開発する人気デベロッパーAmidioによる、 iPadのみでオーケストレーションを再現した動画。同社の「Seline HD - Music Instrument」(価格:1,200円)を使って、4人のプレイヤーがバイオリン / フルート / チェロ / クラリネットの各パートを専属で担当している。本アプリは、左右の指の特性に合わせ設計されたという、キーポジションがふたつに分かれたユニークなユーザーインタフェース「ioGrid」が特徴。お正月には、この動画にように家族でiPadを使って合奏なども面白いかも?

すべてiPhone 4で撮影されたミュージッククリップ


カナダ出身のアーティスト FLAKJAKTによる「Cascades」という曲のミュージッククリップ。なんとも言えない独特の色合いや質感が印象的な映像だが、なんと本動画はすべてiPhone 4を使って撮影されたものとのこと。映像編集ソフトとして、「Final Cut Pro」を利用しているようだが、もちろん、それを活かすセンスがあってこそではあるが、これだけでの映像素材がiPhone 4のみで収録できる、そのポテンシャルには驚愕すべきものがある。ぜひ、iPhone 4ユーザーの皆さんは映像作品作りに気軽にチャレンジしてみてはいかがだろうか?

複数のiPadを使ってクリスマス音楽を演奏する映像


アトランタにある「North Point Community Chrch」にて行われたなんとも楽しげなクリスマス演奏会の様子。8人編成のiPadによるバンド(名付けてiBand?)が、3曲程演奏を行っている。ドラムアプリ「iGOG」によるリズム演奏をベースに、各メンバーが絶妙なコンビネーションで、オルガン / シンセサイザー / パーカッション / ギター / ハープ / ベルなどを演奏。後半のJose Felicianoの「Feliz Navidad」で登場するボーカルエフェクトは、「I'm T-PAIN」などのボコーダー系アプリによるものと思われる。個人的にも、こんな演奏会ならぜひとも参加してみたい。

少年が小型の音楽ガジェットによる華麗なDJプレイを披露


PSPを彷彿とさせる手のひらサイズのDJマシン「Pacemaker」たった1台を使って、まだあどけなさの残る少年が、華麗なDJパフォーマンスを披露している。Pacemakerを使うことにより、専用のターンテーブルやCDプレイヤー、ミキサーなど多数の機材を用意しなければいけないといったDJのイメージに反して、トラックのビートマッチングや繋ぎ、ループ / フィルタ / EQなどの基本的な操作にはじまり、ギミックの効いたパフォーマンスまでを小さなボディーだけで手軽に行えるのが楽しい。DJプレイ時に実際にどんな操作を行っているのか気になる方は、Pacemekerの画面を中心に撮影された動画も用意されているので、ぜひ併せてチェックしていただきたい。キャッチーで分かりやすいノリノリの選曲に、思わず自分でもDJしたくなること間違いなし!?

進化は止まらない! ついにiPadアプリをMIDIキーボードからも演奏可能な時代に突入


今年後半に遂にリリースされたiOS4.2では、遂に正式にCoreMIDI(MIDIデータの入出力を制御するための仕組み)がサポートされた。本動画は、このCoreMIDIにいち早く対応したYonac SoftwareのiPad用シンセサイザーアプリ「MiniSynth PRO」(価格:1,000円)と、MIDIキーボードを使って演奏されたものとなっている。iPadを外部キーボードの音源や音楽制作アプリの入力デバイスとして使うもよし、逆にシーケンスアプリなどによりMIDI音源を演奏するなど大きく活用シーンの幅が広がった。

ニューヨーク地下鉄で、iPhoneでライブパフォーマンス


ある日突然に電車での移動中に、ライブパフォーマンスが始まったら? そんな、吃驚仰天のパフォーマンスを実際に、ニューヨークの地下鉄で行って、Youtubeでの再生回数がすでに420万回を超えるなど話題になったのがこのバンド「Atomic Tom」。4人のバンドメンバーが、それぞれにiPhoneアプリを使って演奏している。その演奏のクオリティーも高いが、それもそのはずメジャーデビューしているプロミュージシャンなのだ。

USインディー・ロックバンド「Rend Collective Experiment」によるiPhone演奏


こちらは、同じくiPhoneによるバンド演奏だが、スタジオでのパフォーマンスとなっている。イントロのフレーズが印象的な鉄琴アプリ「Glocken jr」をはじめ、「Drum Kit Lite」、「pocket guitar」、「fingerlite piano」、「shaker」、「real violin lite」、「Guitar:play and share」など様々な楽器アプリが駆使されており、さらにボーカルは「Voice memo」によりレコーディングするなど、徹底したこだわりぶりだ。年末年始は、久しぶりに集まった友達同士でiPhoneを使ったジャムセッションでもいかが?

坂本龍一も思わずつぶやいた、DS一台でここまでできる!


サウンドプロデューサー"本間柑治"によるテクノポップユニット「DS i Love You」は、Nintendo DS用バーチャルシンセサイザーソフト「KORG DS-10」のみを使い、重厚でバリエーション豊かなサウンドを生み出す。本動画は、2010年11月24日にリリースされたニューアルバム「CHRISTMAS DINNER」のものだが、前作「Obento」のリリース時には、あの世界の坂本龍一からも「DS1台だけでこんなん、できちゃうんだ! なかなかすごいね! 」とTwitterにてコメントが寄せられるなど話題を集めたアーティストだ。iPhoneは持ってないけどDSなら手元にあるユーザーの方々、ぜひこの冬はDSで音楽制作を始めてみてはいかがでしょうか? DS用バーチャルシンセサイザーソフトの最新作「KORG M01」も好評発売中だ。

iPad iOS4.2ではマルチタスクを使った楽器アプリの多重演奏


iOS4.2のリリースにより、ユーザー待望のマルチタスク機能をサポートしたiPad。この動画では、新機能であるマルチタスクを活かして、複数の楽器アプリによる多重演奏にチェンレンジしている。「Beat Vide for iPad」によるリズム演奏を基本として、「ThumbJam」のオルガン / ピアノ / ストリングスをレコーディング、さらに「miniSynth PRO」のシンセリードを使ったソロプレイなどが繰り広げられる。マルチタスクになったことで、単体アプリでは成し得なかった高度な音楽制作などもiPad1台で実現可能となり、クリエイティブツールとしての可能性も大きく進化したといえるだろう。

iPadとハードウェアコントローラを併用した正統派DJパフォーマンス


イギリス国営放送のBBCラジオでもレギュラー番組などを持つ有名DJ「KUTSKI」によるDJパフォーマンス。Native InstrumentsのデジタルDJソフトウェア「Traktor Pro」を中心に、同社の専用ハードウェアコントローラ「X1」、さらにApple純正のケースにより、MacBook Proの上にiPadがレイアウトされた本格的セッティング。キーボードやトラックパッドには一切触れることなく、X1とiPadを駆使してTraktor Proをコントロールしていく様が非常にクールだ。なお、iPadで使用されているアプリは、OSCプロトコルに対応したコントローラアプリ「TouchOSC」("2ch mixer"テンプレート)となっている。