インテルは10日、都内で記者発表会を開催。同社取締役副社長の宗像義恵氏がインテルのWiMAXに関する取組みについて説明した。また、ゲスト・スピーカーとしてUQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏が登壇し、UQ WiMAXの最新動向について解説した。

インテル 取締役副社長の宗像義恵氏(左)とUQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏

説明会の冒頭で宗像副社長は、ネットワークに接続できるスマートデバイスの普及について言及。「現在インターネットユーザー数は15億人、40億台の機器がネットワークにつながっていると言われている。それが、2020年には40億人、300億台以上機器がネットワークにつながる時代になる」と説明。それに伴い、急速に増加するトラフィックに対応できるネットワークが必要となり、有線ソリューションだけでなく、「いつでもどこでも使える」無線ブロードバンドのインフラが重要になるとの見解を示した。

インターネットに接続して利用する機器は2020年には310億台に

UQ認証のWiMAX搭載製品の広がり。2009年8月11機種だったが、2010年11月には46機種に拡大

そこで、同社のモバイルWiMAXに着目した製品として、WiMAX対応通信モジュール「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」「Intel Centrino Advanced-N + WiMAX 6250」を紹介。日本国内でこれらのモジュールを内蔵したPCが10メーカー、46機種(2010年11月時点)提供されているとアピールした。また、これらWiMAXモジュール内蔵PCを通じてサービスを提供するUQ WiMAXについて「今日現在、実際に使えるワイヤレスブロードバンドとしては、UQのネットワークは世界最速だと考えている」と評価した。

今後のモバイルWiMAXの展開については「PC以外のコンピューターやデジタルサイネージなどの機器に広がっていく」との見解で、UQが取り組む次世代サービス「WiMAX2」についても期待感を示している。また、WiMAXの更なる普及を目指し、キャンペーン「いつでもどこでもパソコンプロジェクト」を実施。11月12日にキャンペーンWebサイトを開設し、順次展開する。

モバイルWiMAXのロードマップ

インテルの内蔵型WiMAXパソコンのラインナップ

インテル マーケティング本部長の山本専氏がキャンペーン詳細を説明。体験型イベントや交通広告、屋外広告など様々なプロモーションを展開。インテルのWiMAX関連としては、最大級規模になるという

プロモーションのひとつとして提供されるランチボックス。インテルのロゴが入ったネットブックのデザインになっている

続いて登壇したUQコミュニケーションズ野坂社長は、冒頭にインテルとUQの関係について「夫婦のような関係。インテルが夫で、我々が(裏方のインフラ部分を担当する)女房役」とコメントし、UQ WiMAXサービス内容を改めて紹介。「最近、他社が似たような高速サービスを発表しているが、現状で我々が最速である」とアピールした。サービスエリアについては、8月末に1万の基地局設置しており、「現在、全国政令指定都市の実人口カバーとしては90%以上カバーした」と自信を見せた。今後は、2010年3月末までに1万5000局を展開するとしている。

UQ WiMAXのサービス提供イメージ。NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルなど各社が高速通信サービスを発表するなか、UQでは今後、提供料金などの施策を用意し、競争に立ち向かう考え

UQ WiAMXのサービスエリア

またユーザーの利用動向として、就職活動中の学生の中でWiMAX内蔵パソコンが多く利用されていると紹介。このほか、UQが10月から提供しているキャンペーン「WiMAX PC バリューセット」の紹介も行った。同キャンペーンは、WiMAX内蔵パソコンからUQ FlatおよびUQ Stepを契約したユーザーの加入月とその翌月の利用料と初期登録料を無料にするというもの。全体の8%だったWiMAX内蔵パソコンからのアクティベーションがWiMAX PC バリューセットの提供を含めた施策により15~16%まで伸びたという。今回インテルが発表した「いつでもどこでもパソコンプロジェクト」により、更なる利用拡大を狙う。