杉岡氏 「カシオのケータイ=使いやすい」、という自負もありますので、930CAもキーの押しやすさには徹底的にこだわりました。「リップル(=波紋)スタイルキー」を名づけましたが、キーひとつひとつ波を打つようなラウンド形状にして、指先にフィットしやすくしました。

――EXILIMケータイにとって"顔"となるカメラ面は、au向けのW63CAと同様に、メタリックなスピンリングに囲まれたレンズがしっかり主張するデザイン。しかし、930CAはW63CAと比べるとレンズ部はひと回りコンパクトな印象だ。

杉岡氏 930CAはソフトバンクのユーザーにとっては初めてのEXILIMケータイとなります。幅広い人に手に取っていただくために、特徴を引き継ぎながらややガジェット感を抑えたという狙いもあります。

――カラーはレッド、ブラック、ホワイト、ピンクの4色展開。レッドとホワイトは光沢を強調するグロス仕上げで、ブラックとピンクはつや消しの上品な質感になっている。

カラーバリエーションは4色。各色こだわりを持った塗装が施されている

杉岡氏 カシオが淡いピンクを採用するのは2年前に発売したW51CA以来なのですが、今回のピンクは彩度が高く、パールの輝きも強めています。他のカラーもそうですが、ディスプレイをシャープな色が囲み、丸みを帯びた面に光があたると繊細な輝きを放ちます。16.5mmという薄型モデルの各部に、やさしさを感じるシャープさ"の表現を意識していて、この造形を活かしたカラーもデザインの特長になっていると思います。

EXILIMの世界観と合わせた画面デザイン

――930CAのメニューには、シンプルでわかりやすいものに加えて、EXILIMケータイのコンセプトに合わせたユニークなデザインのものも収録されている。

杉岡氏 ひとつはブログをイメージしたもので、メニューをスライドさせていくと、ブログ記事のように、その機能に合った写真と英語コメントが表示されます。文章は各々の機能に関連した内容でデザインチームのオリジナルです。デジカメのEXILIMの歴代モデルがグラフィカルに組み立てられるフラッシュの待ち受け画面なども設定できます。

――カメラは横画面での操作が基本になるが、そのメニューデザインにはEXILIMのGUI担当者も関わっているという。

杉岡氏 縦方向でファンクションを選択し、横方向で細かい選択肢を選ぶといったメニュー構成は、デジカメのEXILIMから受け継いだもの。ベストショットは作例見本付きのガイドも表示されますので、わかりやすく使っていただけると思います。

人気のデジタルカメラEXILIMの遺伝子を継承しつつ、au向けのEXILIMケータイW63CAとは異なったコンセプトで開発された930CA。3Gハイスピード(7.2Mbps)、ワンセグ、おサイフケータイなどに対応したハイエンド機ではあるが、"使いやすいカメラ付きケータイ"とでも呼びたくなる、ユーザーフレンドリーなUIこそ最大の魅力といえそうだ。