撮りたいときにチャンスを逃さないための「0.99秒」へのこだわり

――EXILIMケータイ 930CAの最大の特徴は、なんといってもスライド機構だろう。クローズ状態で側面のカメラキーを押すだけでスピーディーに高画素カメラを起動することができる。

企画チームの西尾氏

西尾氏 ケータイは常に電源を入れて持ち歩くものです。「EXILIMケータイ」というカメラ機能に特化した商品を開発するにあたり、今回は「撮りたいときにすぐ撮れる」ことをコンセプトに据えて、このスタイルを採用しました。

――カメラの起動時間は待受状態から0.99秒。8メガピクセル以上のカメラを搭載するケータイとして世界最速を実現している。ケータイに搭載されるカメラのスペックとして起動時間が明記されることも珍しい。

西尾氏 ユーザーに起動の速さを伝えるうえで、数値を示すのが最もわかりやすいと思い、数字にこだわりました。デジタルカメラ業界でも高速起動化が進んでおり、"コンマいくつ"といったレベルの競争になっています。ケータイでも、1秒を切ればユーザーにストレスなく使っていただけるレベルと考え、それを目標にしてチューニングを重ねて実現しました。サイドボタンを押すだけで起動できるスライド式だからこそ実現できたスペックでもあります。

こちらが930CAのカメラレンズ。W63CAで設置されていたレンズ周りのイルミネーションは搭載されていない

――内蔵されているカメラユニットは、昨年12月にauから発売された「EXILIMケータイ W63CA」と同じものだという。フォーカス枠内の被写体に常にピントを合わせ続けるコンティニュアスAFに加えて、人物撮影時、自動的に顔を検出し、追いかける「自動追尾フェイスフォーカス™」も搭載。6軸の手ブレ補正と被写体ブレ補正機能も備えたケータイとしては最高クラスの仕様だ。au向けとの差別化が図られているのはソフト面。ソフトバンク向けの初号機「830CA」で好評だった「美撮り(びどり)モード」が引き続き搭載されている。

W63CA

930CA

西尾氏 「美撮り」は、人物を撮影したときに、顔検出エンジンが顔の位置を、器官検出エンジンが目の位置などを判断し、自動的に、肌をきれいに見せたり、目をより印象的に見せたりする処理を行う機能です。

中澤氏 「 写真うつりがいい」「本人が満足する写真」 とはどういうことかについて、独自の調査・研究を重ねたノウハウによって、最適な効果にチューニングにしてあります。知らない人の「美撮り」写真を見ても、効果には気づかないかもしれません。でも、写っている本人には、「いつでもきれいに撮れているね。」「いいカメラだね。」と思ってもらえるはずです。もちろん、どなたにでも簡単に使っていただきたいので、カメラキー長押しや「待受ショートカット」から、ワンタッチで起動できるように設計しています。