百度やグーグルは経営資源に余裕

インターネットにせよ、モバイルネットにせよ、「広告」こそが、検索エンジンサービスの最も直接的な収入源である。しかし、これまで見てきたように、中国ではまだそこまでのビジネスモデルが確立していない。それでは、各サイトはどのように経営を維持しているのだろうか。現在のWAPサーチサービス各社の経営状況からみれば、大体次の2種類に分けられる。

第一のケースは、WAPサーチサービスで起業したわけではない場合、である。例えば、百度やグーグル、あるいは空中網のように、WAPサーチサービスを試みる企業だ。裸一貫でWAPサーチサービス企業を立ち上げる場合に比べれば、こうした企業ははるかに厚みのある経営資源を持っている。

第二のケースは、易査(Yicha Online Corporation、「易査」は「調べやすい」の意)、Cgogo(シー・ゴーゴー、ノキアと提携)、Roboo(儒豹)のように、WAPサーチサービスそのもので起業した場合である。サーチサービス事業は少なくとも今のところ、実入りは少なく資金ばかり費やす「金燃やし事業」だ。これら各社の場合はまだ十分な資金の蓄積がないため、総じて苦しい経営を続けている。

2006年にベンチャーキャピタルによる投資ブーム

Robooのように、ベンチャーからの投資を頼りに経営を維持しながら、発展を図るWAPサーチサービス企業は少なくない。中国の投資情報調査会社である投資中国(ChinaVenture)がまとめた「2007年における中国モバイル業界の投資価値についての研究報告」によると、ベンチャーキャピタルの多くが2004年にモバイル市場に進出、中国国内のWAPサーチサービス業界が同年に獲得したベンチャー資金は700万ドル(約7億円)に上った。

2年後の2006年、ベンチャーキャピタル各社がこの市場に投入した資金は4,740万ドル(約47億4,000万円)にまで増え、にわかに投資ブームが起こったのだった。