PC検索エンジンのWAP版のみが活発

広告がWAPサーチサービス各社にこれまで利潤をもたらしてこなかった最大の要因は、市場が熟していなかったからである。業界通は、中国における現在のモバイルインターネットは、5~8年前のPCインターネットをめぐる状況に酷似していると見る。

確かにそうかもしれない。モバイルインターネットは中国における5~8年前のPCインターネットと似て、まだ発展初期の段階にあるため、コンテンツが乏しいだけでなく、それ自身の秩序も混乱している。

2000年の時点では数十にすぎなかった中国のWAPサイトだが、今では軽く数万の規模に達している。しかし各サイトの規模と内容を詳しく見れば、その内の大多数はまだ将来性が見えない。3G門戸空中網掌中網霊通網、それに新浪網捜狐などPCポータルサイトのWAP版だけが活発に利用されている状況だ。

その他の著名ではないサイトでは、当面検索エンジンとして名前を知られるチャンスさえないだろう。それは、検索技術の不備というわけではなく、むしろ業界全体にある種の秩序がないことの反映でもある。

携帯でのネットユーザーは携帯ユーザーの8.4%

中国インターネット情報センター(CNNIC)が先日発表した調査結果によると、現在、中国国内では5,040万人が携帯電話でインターネットを利用している。だが、この数字も6億という中国の巨大な携帯電話ユーザー数を思えば、8.4%にすぎず、さびしい限りである。しかし、裏を返せば、それだけ大きな潜在市場があるということにもなる。

モバイルインターネットの発展を阻む要因には、インフラストラクチャーの未整備と共に、モバイルインターネットに適したスマートフォンの普及度が低いこと、GPRS(General Packet Radio Service、汎用パケット無線サービス)の費用がそもそも高いこと、などが挙げられよう。

これらを考慮すると、中国のモバイル市場全体がなお初級段階にあるともいえる。従って、そこで始まったばかりのWAPサーチサービスも本格的発展の前段階だ。技術と、コンテンツの供給でメドが立たないうちは、広告にしても、付加価値業務の展開にしても、まだまだ夜明け前の段階と言わざるを得ない。