3つの新サービスがベールを脱ぐ

2日目の基調講演では、Adobeが保有する先進的なサービスについての紹介も行われた。既存の常識を打ち破るようなものばかりで、デモでは聴衆から多くの驚きの声が漏れていた。

Scene7 Imaging

Webページ上で画像の拡大/縮小、色の変更など、様々なエフェクトを実現するのがScene7の技術だ。こちらの記事にもあるとおり、同社は今年5月に行われた買収によりAdobeの傘下に加わった。

Scene7の技術を利用すると、例えば、ECサイトにおいて商品をズーム/回転したり、ドラッグ&ドロップでパーツを組み合わせてデザインを行ったりといったことが実現できる。

Scene7の技術を使用したスポーツウェア販売サイト。Webページ上でユニフォームのデザインを行うことができる

SHARE

SHAREは、ユーザ間でファイルを共有することのできるサービスだ。Flexで構築されており、共有ドキュメントに対する厳密なアクセス制御、ブログ等に貼り付けるためのコード生成などの機能を持っている。

現在のところPDFと画像にしか対応していないが、ブラウザ上でファイル内容をプレビューできるのも特徴の一つだ。PDFのプレビューに関しては、なんとFlashのみで実現されている(Readerを必要としない)。

β版として一般公開されているので、Adobe IDさえあれば、現在でもログインして試すことが可能だ。

SHARE β版

将来的には以下の機能を追加する予定だとのことである。

  • ファイルへのタグ付け、フィルタリングによる絞り込み、ユーザ定義のコレクション
  • SHARE上で直接PDFを生成することにより、あらゆるファイルの印刷を可能に
  • Microsoft OfficeやOpenDocument形式のファイルをPDFに変換

Pacifica、CoCoMo

PacificaとCoCoMoは、どちらもブラウザ上でビデオ会議を行うことができるサービスだ。

最も大きな違いは、Pacificaがリアルタイム通信のための標準規格であるSIPをベースに実装されているのに対し、CoCoMoはAcrobat Connect Proを前身としており、Flash Media Serverをバックに動作する点だ。

Pacificaは2007年10月に「Private Beta」版が提供される予定。

Pacificaの動作イメージ

Pacificaのサービス概念図

CoCoMoは、FlexコンポーネントとしてWebカメラやチャット、ビデオポッドなどを提供しているため、MXMLにタグを記述するだけで簡単にそれらを利用可能だ。

CoCoMoの利用例とそのソースコード