家電メーカーのシャープとパイオニアは20日、業務・資本提携を行うことで合意したと発表した。パイオニアが第三者割当にて新株式30百万株の普通株式を発行し、全数をシャープに割当て、シャープは、保有する発行済み普通株式10百万株を第三者割当にてパイオニアに割当て処分する形式。これによりシャープは14.28%の株式を取得しパイオニアの筆頭株主となる。提携提案時期については、両社とも明言を控えた。

シャープ代表取締役社長・片山幹雄氏

パイオニア代表取締役社長・須藤民彦氏

エレクトロニクス機器のデジタル化が進む中、「開発費用や設備投資には莫大な資産と人材が必要となってくる。1+1が3にも4にも増えていく相性の良いパートナーを探していた」(シャープ代表取締役社長・片山幹雄氏)。両社は、戦略的提携を行うことで、厳しいグローバル競争で勝機をつかんでいきたいとしている。

今後は、既存分野の拡大化・効率化を図るとともに、次世代DVD分野、ネットワーク関連分野、カーエレクトロニクス分野、映像分野などで、需要創造型商品の共同開発に取り組んでいく考えだ。プラズマテレビを得意とするパイオニアは、シャープの液晶技術を得、液晶テレビ関連のラインナップを充実させるなど、お互いのリソースを積極的に活用していく予定。

なお、現時点で将来的な統合の予定はないという。

両社とも独自性を維持しながら、独創的な商品を開発していきたいとしている