BIツールは、過去のデータを集計・解析して経営に役立てるためだけのものではありません。IoTやAIを活用することで、BIツールは、リアルタイムでの情報把握や、未来に向けた提案も可能になります。ここでは、BIツールの未来に向けたひろがりを紹介します。

過去を分析するBIツールの限界

BIツールを導入することで、ビッグデータなどから必要な情報のみを抽出し、集計や解析を行い、経営判断に役立つ情報を得ることができます。しかし、BIツールから情報を得ることと、得た情報からどのような判断を下すか、さらに判断をどのように実行するのかは、それぞれ別の問題です。

例えば、小売チェーン店で、あるマイナーな商品の売上が徐々に伸びていることがわかったとします。この場合、そのマイナー商品の売上の伸びは一過性のものなのか、静かなブームになりつつあるのかの判断は難しい問題です。また、その商品をプッシュするという経営判断がなされても、陳列、在庫管理、仕入が店舗ごとに店長の裁量によって行われる場合には、徹底できない場合があります。

このように、せっかくBIツールを導入しても、どのような経営判断を下せばよいのか、下した経営判断をどのように実行すればよいのかが課題として残ります。これは、過去を分析するだけのBIツールの限界と言えるでしょう。

BIツールによる現在の把握と未来の予測

BIツールでは、過去のデータを分析することが可能ですが、それだけでは、経営判断に役立つ情報を得ることまでしかできません。しかし、BIツールにIoTやAIを取り入れることによって、現在の情報をリアルタイムで把握する機能や、未来を予測して経営判断を提案する機能が実現できるようになりました。これらの機能を活用することで、過去を分析するだけのBIツールの限界を超えることが可能です。

IoTによるリアルタイムの情報把握とセルフサービスBI

IoTでは、センサーやカメラを利用して、情報をリアルタイムに把握することが可能です。そして、BIツールも、IoTを活用することによって、情報をリアルタイムに把握できるようになります。例えば、在庫を把握することで消耗品を即座に補充したり、顧客の顔を認証することで顧客属性を即座に入手したりすることが可能です。

また、IoTによる情報の収集は、セルフサービスBIにも活用することができます。セルフサービスBIとは、現場の従業員が、自ら情報を抽出して分析するというものです。セルフサービスBIによって、BIツールから得られる知見を現場でも活用することが可能になります。

しかし、経営や統計の知識がない現場の従業員にとって、ビッグデータから必要な情報を抽出することは困難です。そこで、IoTによって、現場の従業員が必要とする情報を収集することが解決策になります。例えば、IoTを活用することで、小売店舗における顧客の動線を把握したり、工場における部品ごとの在庫数を把握したりすることが可能です。そして、得られた情報をBIツールで分析すれば、人通りが多い通路に売りたい商品を陳列することや、在庫が少なくなった部品を発注することに役立ちます。これらは現場の従業員にとってわかりやすいBIツールの使い方でしょう。

AIによる未来の予測

BIツールが提供してくれるのは、過去の判断の分析結果までです。どのような分析を行うか、また、分析結果から未来を予測して、どのような経営判断を下すのかは、人間の役割だと言えます。一方で、AIは、人工知能という名前の通り人間と同じように自分で考えることが可能です。BIツールにAIを搭載することで、データの分析手法の選択や未来予測、経営判断の提案を受けられるようになります。最終的な経営判断を下すのは人間の役割ですが、BIツールから予測や提案を受けられるようになれば、その役割の負担を軽減することができるでしょう。

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