企業にあるマスデータを分析するうえで注目を集めているのがBIツールです。BIツールにはさまざまな機能が備わっていますが、そのなかでも売上予測や収益予測に大変便利なのがシミュレーション機能です。ここでは、シミュレーション機能に焦点を当てて、詳しく見ていきましょう。

企業の売上・収益をアップするためには仮説と検証が重要

企業の売上アップや収益アップを考える際には、さまざまなことを考えなくてはなりません。しかし、そのなかでも特に重要なのが仮説・検証の段階です。何かの問題に対して仮説を立て、実際にアクションを起こして検証をしていくことで成功への道筋が見えてきます。

営業支援システムや顧客管理システムなどで日々データを収集している企業は多くなってきました。しかし、これらのデータを総合的に分析し、そこから課題や解決策を見つけ出すことができる人材を擁している企業は決して多くありません。そんなときに便利なのがBIツールのシミュレーション機能です。

企業内でばらばらに収集されたデータを一元管理し、自動的に売上や収益などを予測してくれます。「過去のデータから新しいプランを実行するためにはどの程度の予算が必要になるのか?」なども予測することができるため、予算管理などを強力にサポートしてくれます。

BIツールの具体的なシミュレーション機能

BIツールに備わっているシミュレーション機能をより詳しく見てみましょう。仮説や検証が行える身近なツールというと、エクセルが真っ先に思い浮かびます。エクセルにもWhat-if分析ツールというものがデフォルトで備わっていて、あらゆるシナリオの仮説と検証を行ってくれます。また、シナリオだけでなく、目的やゴールから必要な数値をはじき出すゴールシークなどの機能も備わっています。BIツールではこのようなエクセルに採用されている分析機能はもちろんのこと、専門的な知識がなくても直感的に操作できるような簡単な作りになっているものが多い傾向です。

ツールによっては予算や売上予測などのデータを視覚的に分かりやすい形で見える化もしてくれるため、そのままの形で会議資料に採用することも可能です。シミュレーション機能だけでも意思決定に大きな影響をもたらしてくれますが、将来予測からの迅速なレポート作成という面でも非常に重宝することでしょう。

複数のシナリオを想定して慎重に分析

シミュレーション機能のなかで特に便利なのが、複数のパターンを予測できるという機能です。過去のデータからプランを実行したときの将来のシナリオをいくつかのパターンでシミュレーションし、これらを比較することによって最適な数値を導き出すことができます。集積されたデータや過去の実績から予測値を導き出す場合、1つのシナリオであればアナログな方法でも可能です。しかし、予測すべきパターンの数やシナリオの数が多くなってくると、とても手作業ではできないでしょう。

また、パターンごとに導き出された予測値もグラフなどで分かりやすいように可視化することができるため、人間が実際に行う意思決定においても強力な味方になってくれます。新規事業への投資や未開拓事業への投資など、会社全体の売上にかかわる大規模な投資であればあるほど、複数パターンの慎重な将来予測が重要になってきます。

分析で終わってしまっている企業は多い

営業や顧客管理にかかるさまざまなデータを集積している企業は多くても、これをうまく使えている企業はとても少ないといわれてきました。なかには分析ツールなどを導入し、集積したデータを使える形で分析している企業もありますが、分析だけで終わってしまっては何の意味もありません。データを人間が使いやすい形にするためにも、BIツールを利用したシミュレーション機能は非常に優秀だといえます。あくまでも最終的な意思決定をするのは人間ですが、それを分かったうえで導入すれば経営を強力にサポートしてくれるでしょう。

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