BIツールにはさまざまな機能があります。今回焦点を当てて解説するのは、データマイニングです。データマイニングを使うことで、売上向上や業務改善につながるデータを得ることができます。この解説を読んで、BIツールのデータマイニング機能を活用できるようにしましょう。

データマイニングとは隠れたデータを掘り出すこと

データマイニングとは相関分析等の複雑な統計分析を行う機能です。マイニング(mining)は採掘という意味で、バラバラのデータを分析していくことで価値ある法則を掘り出すことから、データマイニングと呼ばれています。たとえば、夏休みシーズンにはクーラーボックスがよく売れるというデータと、同じく日焼け止めがよく売れるというデータがあるとします。一見すると商品のジャンルも購買客層も違いますが、データマイニングで分析を進めていくと、どちらも海水浴に出掛ける客に売れているということがわかりました。そこで、「海水浴で使う商品をまとめて配置したところ売上アップにつながる」というように、新たな施策につなげることが可能です。

データマイニングの手法には大きく2つあります。1つ目は事前に仮説を立てる統計分析です。事前に仮説を立て、それに応じて必要な情報を集めて分析を行います。分析には、統計学の知識が必要になります。2つ目は事前に仮説を用意しない機械学習です。あらかじめ仮説は用意せず、データの中からコンピュータが自分で学習しつつ相関関係を見出します。ある事象の原因の特定など、複雑な条件が絡む課題の分析は機械学習の得意分野です。

BIツールの機能であるデータマイニング

データマイニングはBIツールの機能の一部として提供されています。BIとは企業や組織のデータを収集・蓄積・分析することで経営上の意思決定に役立てる手法や技術を指しますが、データマイニングはその中の「分析」を担う手法の1つです。データマイニング以外にもOLAP分析やシミュレーションといった他の分析機能が搭載されていることが多くなっています。そのため、分析したい内容によっては必ずしもデータマイニングが最善の方法とは限りません。「データマイニングを使って分析するのかどうか」という判断も重要になります。

また、データマイニングには回帰分析や主成分分析、因子分析といった統計手法が用いられますが、BIツールではある程度これらの専門知識を補ってくれるようになっています。BIツールは社内での業務効率化のために利用されることが多かったツールです。しかし、ビッグデータの活用が話題になる中で、大量のデータから相関関係を見出してマーケティングに利用できるデータマイニングは注目されています。今後は、BIツールに搭載されたデータマイニング機能の進化にも注目です。

データマイニングでは隠れたものが見える

データマイニングは、現状把握やある施策に対する結果の確認よりも、将来どうなるのかという「予測」や気付いていなかった「隠れた特徴」の把握が強みです。そのため、「今までの売上データから、これから20代の女性にすすめるべき商品は何か?」という課題を分析するのに向いているでしょう。逆に「今20代の女性に一番売れている商品は何か?」といった現状把握は他のデータ分析ツールのほうが得意です。得られた分析結果が100%売上向上につながるとは限らないということもデータマイニングで知っておくべきことです。あくまで予測や隠れた特徴の発見であるため、その次のアクションが成功するとは限りません。しかしながら、次の施策を取るための大きな材料になります。

また、売上データのような社内のデータだけではなく、SNSの口コミやアンケートから大量のテキストデータを取得して分析することも行われています。テキストデータの分析を行うことで得られるのは、隠れた顧客の声や今後の需要予測といった分析結果です。データマイニングは、隠れた法則や情報に光を当てる手法といえるでしょう。

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