BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールが普及し始めた一方、BA(ビジネス・アナリティクス)ツールも注目を集めています。ここでは、BIツールとBAツールを比較しながら、BAツールの特徴について解説します。どちらもデータ分析に力を発揮するツールです。しっかりと特徴を押さえてビジネスに活かしていきましょう。

BAは未来を予測するツール

BA(ビジネスアナリティクス)の役割は未来を予測し、意思決定を行うことです。BAツールでは過去の情報を収集し、目的に合った未来の予測モデルを作成します。たとえば、ダイレクトメールの送り先と頻度について検討することになったとします。まずは、ダイレクトメールの送付先(性別・年代)、頻度、最終的な購買有無のデータを収集します。BAツールではこれらのデータから、ダイレクトメールの送付先と頻度ごとに最終的な購買につながる確率を予測できるのです。ユーザーは確率の高い組み合わせでダイレクトメールの送付を行うことで、効果的なマーケティングを速やかに行うことができます。

BAのポイントとなるのは、現状の分析に留まらず、「この先の将来どうなるのか」を定量的な結果として出力することです。そのため、上記の例であれば、ダイレクトメールの送り先と頻度を決定するにあたり、「購買につながる確率が高い組み合わせを選ぶ」だけで良いことになります。このように、BAツールは未来の予測を定量的に表示し、スピーディーな意思決定を助けるツールです。

BA成功の秘訣は5要素

BAの成功には、次の5つの要素が関わってきます。1つ目はデータです。良質な過去データを収集しなければ、未来の予測はできません。2つ目は組織全体で分析を行うことです。BAを一部の部署のみで導入している場合、分析結果に偏りがでることがあります。会社全体でBAを導入することが必要です。3つ目は意思決定を行うリーダー、4つ目は分析対象となるターゲットです。何を分析対象とするのかを見極める優れたリーダーとその結果定められたターゲットがBAには必要です。

5つ目は分析を行う分析者です。分析者はリーダーが決定したターゲットに対して、データから予測モデルを導き出します。BAの成功にはこの5要素が不可欠です。

「未来」を分析するBA、「今」を分析するBI

BAツールの特徴はBIツールと比較することでわかりやすくなります。BIツールは過去のデータを可視化することで、現状の把握や過去の振り返りをすることが目的のツールです。蓄積したデータを人間が理解しやすいグラフや表の形に見える化し、ユーザーはBIツールのデータ分析結果をもとに、次のアクションを検討します。そのため、分析されたデータのどこに着目し、どんなアクションを取るのかは、ユーザーの経験や志向に任され、必ずしも最適の選択がなされるとは限りません。

一方で、BAツールは過去のデータから未来に起こり得る予測結果を出力します。ひとつひとつの要素を見える化するBIと違い、多くの要素から結果を算出するBAは、感覚的に詳細まで理解するのは難しいものです。ただし、BAの役割は過去を分析したうえで、その先の未来を予測し定量的に提示することであるため、ユーザーは分析された予測結果から次のアクションを決めるだけです。BAによってユーザーは予測結果に応じて、個々の経験や志向任せではなく、共通の判断基準で意思決定を行うことができるようになります。

BAの課題は全社的な普及とアナリストの育成

BAには課題も残されています。まずは、会社全体でBAを取り入れることです。BAを導入している企業であっても、利用が一部の部署に留まっているケースが多くあります。BAの精度を高めるためには、全社的にBAを取り入れることが必要です。次に、質の高いアナリストの育成です。IoTの発展で、企業の収集するデータは種類・量ともに膨大なものとなっています。それらの中から、必要な情報を選んで分析できる質の高いアナリストを育成することが不可欠です。

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