NTTデータの技術力向上を図りたい。
「技統本塾」はそんな課題感から、組織を超えた次世代トップ技術者を育成する取り組みとしてスタートしました。NTTデータグループを代表するトップ技術者が塾長となり、組織を超えた若手・中堅社員が、普段の業務では深く追求することのできない技術や先進的なテーマについて一定期間直接指導を受ける、まさにNTTデータ版「虎の穴」です。少数精鋭をトップ技術者へ。技統本塾の取り組みをご紹介します。

  • 写真:技統本塾 ~次世代トップ技術者への道~

技統本塾とは

技統本塾は2017年に始まりました。マルチベンダーであるNTTデータとして、他社ベンダーと対等に渡り合っていくためには「技術力」は生命線。ただ、現場では案件が優先となり、深く技術を追求したり、新しい技術を扱ったりする場が少なく、なかなか経験を積めない。ではトップ技術者(塾長)とのマンツーマン指導の「場」をつくって、徹底的に育てようと。開講当初は7名の塾生でスタートしました。

一言で表すなら、徒弟制度のようなしくみです。研究開発部門にあたる技統本のトップ技術者が塾長となり、半年間、マンツーマンで若手や中堅社員を教育。普段の業務では深く追求することのできない技術や先進的なテーマを深掘りします。

入塾者は、ある程度の知識・技量は必要です。そのため、3つのレベルを設けています。レベル1はハンズオン。基礎的な基盤構築や試験などを短期間で習得します。レベル2は塾長のもと、各塾生がテーマをもって技術の原理原則の理解を目的に調査や検証を進めていきます。レベル3は新たな知見の獲得を目的に、要素技術を深堀し、NTTデータを代表するコア技術者をめざします。実際にレベル1から始め、その担当で第一人者となっている人もいます。

  • 写真:技統本塾 講義風景

    技統本塾 講義風景(2017年)

NTTデータグループを代表するトップエンジニアたちから直接学べる!

技統本塾の塾長はAdvanced Professional(ADP)制度とTechnical Grade(TG)制度で採用・認定された社員を中心に選出しています。ADP制度は、AIやIoT、クラウドなど先進技術領域などで卓越した専門性を持つ人財を外部から採用する制度です。TG制度は、社内で極めて高い専門性を獲得した社員に向けて、仕事の内容や会社への貢献度に応じて報酬を決める制度です。いわゆる管理職任用を背景としたマネジメント力とは別軸で、専門性を軸にキャリアを高め、現場で技術を極めながら市場水準に応じた報酬を得ることができます。

技術分野ごとに塾長を立てています。設立当初はOS、ネットワーク、仮想化、DBといったインフラ技術を中心に開講していました。近年はクラウドやAIといった新しい技術分野も積極的に開拓しており、延べ15の技術分野で開講しています。

有名なトップ技術者が教鞭をとるとあって、非常に活況で社員に人気がある施策です。2021年度は70名が塾生として学んでいます。

  • 写真:技統本塾の塾長

    技統本塾の塾長

技統本塾の活動

  • 図:技統本塾の活動の流れ

    技統本塾の活動の流れ

基本的な進め方は、最初に活動計画を立て、仮説立案や、環境構築を経て本格検証をして最後に成果発表という流れです。週に1・2時間程度、塾長と塾生がディスカッションしたり、実機に触ったりしながら進めています。

活動テーマは塾生が主体的に決定し、活動計画を作成して、塾長と進め方の認識を合わせます。机上の検討だけでなく、実際に環境を構築し、事前に立てた仮説に基づいて検証を行います。塾生にて検証結果の分析にトライし、塾長とのディスカッションを通して納得のいく分析結果を導き出します。塾長からアドバイスをもらいながら活動するプロセスの中で、塾生はシステムの原理原則を学んでいきます。

事務局によるアシスト体制も特色です。面談時のファシリテートのほか、活動目標やスケジュールの調整、検証環境の整備などを行い、限られた時間の中でも塾生が集中して検証できる環境を整えています。

修了発表会では関係者に対して学習した成果を発表します。発表後は塾長からフィードバックをもらいます。半年間の活動を終えてとても充実した表情が見られます。

卒業生の声~お客さまからも重宝。ビジネス提案の武器に~

2018年上期に参加した第四金融事業本部金融マーケット事業部の唐品さんにお話を聞きました。

  • 第四金融事業本部金融 マーケット事業部 第二統括部 市場取引開発担当課長代理/唐品真吾さん

──入塾のきっかけは何でしたか。

技統本塾では、「Kubernetesを用いたコンテナ基盤の基礎知識習得と監視方式の検討」をテーマとしました。もともと、お客さまである取引所では国外パッケージとして次世代コンテナアプリを検討段階にあったのですが、当担当にコンテナアプリの有識者がいないこともあり参加しました。

──技統本塾での活動について教えてください。

活動は月20時間程度。実際に環境を構築して自由に手を動かせるので、充実していて面倒に思うことはなかったです。環境構築は苦労しました。塾長の伊藤さんもあえて手は貸してくれない。「構成図から整理してみたら」など問題解決のアプローチ中心のアドバイスです。ネット情報などを頼りにいろいろ試していました。結果期間内に目標にはわずかに届かなかったのですが、その後の業務にも生かせる経験をさせてもらえたと思います。

──技統本塾でスキルを身につけたことで、お客さまからも頼られることもあったそうですね。

ちょうどお客さまも次期システムの検討段階でコンテナアプリの次世代パッケージの導入を検討していました。ただ、よくわかっている人がいない。技統本塾で学んだことを活用してワークショップなどを一緒に開催したり、お客さまの環境で構築してデモを実施したりしました。お客さまが勉強のためストックホルムのナスダックに行く際には、同行を依頼されたりもしました。さまざまな事情により当該パッケージの導入は見送られたのですが、技術検討の中でNTTデータがリードできたというのは非常に良かったと思います。

最後に

NTTデータでは、所属組織に関わらず、社内に在籍するトップエンジニアと交流しながら一流のITエンジニアを目指せる環境があります。興味がある方はぜひこちらの採用情報ものぞいてみてください。

参考リンク

NTTデータの取り組みの詳細はこちら

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