Ubuntuにおけるセキュリティの基本中の基本が、ファイルやディレクトリのパーミッションだ。前回は、パーミッションを設定する(変更する)コマンドとしてchmodを取り上げた。
今回は、chmodの使い方の応用編をお届けする。実際にはこちらを使う機会が多いので、内容は押さえておきたいところだ。→連載「WindowsでUbuntuをはじめる」のこれまでの回はこちらを参照。
Ubuntuを起動
Ubuntuを起動する。スタートメニューから「Ubuntu on Windows」を選択すればよい。
「Ubuntu on Windows」を選択すると、上のようなターミナルアプリケーションが起動してくる。ここでUbuntuのコマンドを実行する。
パーミッションを変更するchmodコマンド
Ubuntuでは、ファイルやディレクトリには「パーミッション」と呼ばれるアクセス保護が設定されている。この保護設定を変更するのがchmodコマンドだ。パーミッションはUbuntuにおけるセキュリティの基本中の基本であり、最初にその効果や使い方、変更方法は覚えておきたい。
chmodコマンドの基本的な使い方は次のとおりだ。
chmodの基本的な使い方
chmod 変更指示 ファイル
「変更指示」の部分には2つの形式がある。前回は、次の形式について取り上げたが、多くの人にとって理解しやすい方法だろう。
chmodの基本的な使い方(覚えやすいと思われる方法)
chmod 対象ユーザー±rwx ファイル
今回は、もう1つの方法である次の形式て取り上げる。
chmodの基本的な使い方(難しいと思われる方法)
chmod 8進数モード ファイル
前回は「u+rw」「ugo-rwx」など、記号の意味さえ知っていれば理解できる指定方法だった。ugoもそれぞれユーザー(u: user)、グループのユーザー(g: group)、そのほかのユーザー(o: others)だし、rwxは読み込み(r: read)、書き込み(w: write)、実行(x: eXecute)と単語とのつながりがあるので覚えやすいだろう。
今回取り上げるのは「u+rw」といった指定を行っていた部分を8進数で指定する方法だ。例えば、全員が読めるけど書き込みができるのは自分(持ち主のユーザー)だけというパーミッションにするには、次のようにchmodコマンドを実行する。
自分だけ読み書きできて、他のユーザーは読めるだけのファイルにパーミッションを設定する方法
chmod 644 ファイル
自分だけが実行できるファイルにするなら、次のようにchmodコマンドを実行する。
自分だけが実行できるファイルにパーミッションを設定する方法
chmod 500 ファイル
8進数を使う方法は計算が苦手ならかなり苦労するはずだ。計算が得意であったり。プログラミングが得意だったりする人は8進数指定の方がわかりやすいことが多い。
この指定は必ずしも使う必要はないのだが、スクリプトに書いてあるchmodコマンドで8進数モードが使われていることが多いので、読めるようにしておきたい。一度仕組みを理解すればそれほど難しくはないので、まずは指定方法をみてみよう。