今回も前回に引き続き、“interchangeability” という言葉について書いてみる。前回は “interchangeability” の必要性に関する話が主体だったが、今回はそれをどのようにすれば実現できるか、という話を主体に。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照

モノは違っても取り替えが効くということ

繰り返しになるが、この話を取り上げたきっかけは、戦略国際問題研究所(CSIS : Center for Strategic and International Studies)において国際安全保障プログラムのシニアフェローを務めている、トーマス・カラコ(Thomas Karako)氏とのディスカッション。

そのディスカッションの席で “interchangeability” という言葉が出たときに、真っ先に思い当たったのが、海上自衛隊で使用している艦対艦ミサイルの話だった。海自では、まずアメリカ製のRGM-84ハープーンを導入して、後に国産の90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)が加わった。

ハープーンと90式のいずれも、ミサイル1発ごとに筒型の発射筒に入れて保管しており、使用する際にはその発射筒を架台に載せる。だから外見はよく似ているが、見慣れれば容易に識別できる程度の違いはある。実はそれだけでなく、発射筒を載せる架台や、発射の際に使用する管制システムに共通性があるという。

  • こちらはRGM-84Dハープーンの発射機と発射筒。背後の煙突でお分かりの通り、「こんごう」級ミサイル護衛艦のもの 撮影:井上孝司

  • こちらは90式艦対艦誘導弾の発射機と発射筒 撮影:井上孝司

発射筒のボルトとナットからデータ伝送に至るまでの共通化が必要

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