今回も前回に引き続き、米国マサチューセッツ州アンドーバーにある、レイセオン・テクノロジーズのレイセオン・ミサイルズ&ディフェンス部門レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスを訪問した時の話を。ITと関係なさそうで、実は関係は大ありという話題である。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照

CSISのトーマス・カラコ氏とディスカッション

実は今回の訪問では、戦略国際問題研究所(CSIS : Center for Strategic and International Studies)において国際安全保障プログラムのシニアフェローを、そしてミサイル防衛プロジェクトのディレクターを務めている、トーマス・カラコ(Thomas Karako)氏とのディスカッションが、日程に組み込まれていた。

ミサイル防衛プロジェクトのディレクターということで、ミサイル防衛関連のお話が主体になったが、そこで出てきたキーワードの一つが、タイトルにある “interchangeability”。

軍事の業界では、相互運用性(interoperability)という言葉なら耳にタコができるほど出てくる。また、特に情報通信絡みの話になると、相互接続性(interconnectivity)という言葉も頻出する。この両者はそれぞれレイヤーが異なり、「相互につないでやりとりができるかどうか」が相互接続性、その上で「相互に連携して運用できるかどうか」が相互運用性、という関係になる。

そこで「隣の友軍と同じものを使うのが相互運用性である」といってしまうと話を矮小化しすぎではないかと思うが、その話は措いておくとして。

では、“interchangeability” とは何か。change は「交換」のことだ。すると、“interchangeability” を直訳すると「相互交換性」、意味としては「モノを相互に交換できるかどうか」という意味だと解釈できる。では、防衛装備品の分野において「相互に交換できる」とはいったい何か。どうしてそういう話が出てくるのか。

弾がないのが玉に瑕、という大問題

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