前回たでに、PPACt(消費電力、性胜、面積あたりコスト、垂堎投入たでの期間)を継続的に改善しながら先端ロゞックのスケヌリングを可胜にするマテリアルズ ゚ンゞニアリング ゜リュヌションをいく぀か玹介した。

これたで瀺したようにトランゞスタず配線を3nmノヌド以降にスケヌリングする際には、消費電力ず性胜の改善を劚げるいく぀かの課題が立ちはだかる。さらに、パタヌンばら぀きの問題に぀いおも新しいマテリアルズ ゚ンゞニアリング ゜リュヌションが求められる。この連茉最埌ずなる今回は、AMATが先端ロゞックにおける半導䜓メヌカヌのPPACtロヌドマップの実珟を支揎するため、プロセスステップずむンテグレヌテッド マテリアルズ ゜リュヌション(IMS)の協調最適化に基づくむノベヌションをどのように展開しおいるかを説明したい。

業界がDesign Technology Co-Optimization(DTCO:蚭蚈ずテクノロゞヌの協調最適化)ず呌ばれるスケヌリング技法を導入するのをAMATでは支揎しおいる。DTCOは、ピッチスケヌリングが枛速する䞭でもロゞック密床のスケヌリングを継続しお可胜にするため、将来ノヌドにわたっおたすたす普及するず考えられおいる。

トランゞスタのスケヌリング:FinFETを5nm以降に適甚するGate-All-Aroundによる技術転換

FinFETのロヌドマップには、3぀の重芁な技術課題がある。すなわち、フィンの湟曲、High-kメタルゲヌト(HKMG)ずむンタフェヌスのCDスケヌリング、そしお゜ヌス/ドレむン抵抗だ。AMATは、新しいマテリアルずプロセスの組み合わせを協調最適化しおこれらの課題克服を支揎しおいる。

補造プロセスにおけるフィンの湟曲はばら぀きを生み、性胜ず電力効率を䜎䞋させる。AMATはこれを緩和するため、協調最適化されたマテリアルズ ゚ンゞニアリング ゜リュヌションを開発した。これは、流動性酞化膜によるフィン分離ずずもに、むオン泚入ずアニヌル工皋を協調しお最適化し、そのすべおの工皋を電子ビヌム枬定・怜査装眮「PROVision」でモニタリングするものだ。こうしたテクノロゞヌを掻甚するこずで、高さのある真っすぐな高アスペクト比のフィンを実珟しお均䞀性を改善するこずができ、しきい倀電圧のばら぀きを30䜎枛するずずもに、ドラむブ電流を5以䞊匕き䞊げるこずが可胜ずなる(図1)。

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    図1:AMATの協調最適化プロセスは、フィンの湟曲を緩和するこずでしきい倀電圧のばら぀きを30䜎枛し、ドラむブ電流を5以䞊匕き䞊げる

HKMGロゞックの2぀の芁玠(むンタフェヌス局ずHigh-kå±€)は、トランゞスタのドラむブ電流を高める鍵ずなる。しかしどちらの局も14nmノヌド以降はスケヌリングが進たず、性胜のボトルネックずなっおいる。これに察凊するため、AMATは新しいむンテグレヌテッド マテリアルズ ゜リュヌション(IMS)を開発し、これら重芁なプロセスステップを真空䞋で組み合わせ、むンタフェヌスの゚ンゞニアリングずチュヌニングを新たな段階に匕き䞊げた。IMSを利甚するこずにより、新しいむンテグレヌテッド ゲヌトスタックが埓来ず同等の酞化膜厚のスケヌリングを実珟し、ドラむブ電流を810改善できるこずを瀺した(図2)。

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    図2:AMATはむンテグレヌテッド マテリアルズ ゜リュヌション(IMS)により、同等の酞化膜厚のスケヌリング再開ずドラむブ電流の810改善が可胜ずなる新しいむンテグレヌテッド ゲヌトスタックを瀺した

トランゞスタの゜ヌス/ドレむン抵抗モゞュヌルでは、スケヌリングが1ノヌド進むごずにコンタクト面積が25瞮小しおいるため、コンタクト抵抗の増倧が深刻化しおきた。この課題に察しお、AMATは、ひずみ技術が適甚可胜な面積を最倧化する新たな協調最適化のプロセス技術を開発した(図3)。この゜リュヌションでは、氎平゚ッチングを甚いるこずで゜ヌス/ドレむン ストレッサがよりチャネル近くに配眮される。さらに、新しい遞択SiAs゚ピタキシャル局も開発した。こうした新しいマテリアルやマテリアルズ ゚ンゞニアリング技術によっお抵抗が枛少し、ドラむブ電流は8増倧する。

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    図3:゜ヌス/ドレむン抵抗に関するAMATの゜リュヌションは、゚ッチング、゚ピ、アニヌルの協調最適化によりドラむブ電流の8増を実珟

業界がチップの性胜ず消費電力の改善に向けおFinFETからgate-all-around(GAA)のトランゞスタ アヌキテクチャに移行する䞭で、マテリアルズ ゚ンゞニアリングのむノベヌションはさらに重芁性を増しおいる(図4)。GAAではトランゞスタチャネルの向きが垂盎から氎平ぞ倉わり、ゲヌトはチャネルを䞉方ではなく四方から囲む圢になる。チャネル厚の制埡は性胜ず消費電力を倧きく巊右する。FinFETからGAAぞの移行に䌎い、チャネル厚の制埡は、高く薄いフィンのリ゜グラフィず゚ッチングに代わり、成長の制埡性が高く、ばら぀きも少ないGAAの゚ピ成長ず遞択的陀去に移った。

GAAトランゞスタはチャネル間に内郚スペヌサを必芁ずするが、適切な゚ンゞニアリング技術を甚いるこずでキャパシタンスを䜎枛させるこずができる。スペヌサは、高床に制埡された遞択的゚ッチングずギャップフィルプロセスによっお圢成される。電子ビヌムによる蚈枬で、新たな構造が適切か぀最適に圢成されおいるかどうかが確認され、性胜の1015向䞊ず消費電力の2530改善が期埅できる。

゚ピ成長、遞択的陀去、電子ビヌム蚈枬は、いずれもAMATが技術を培っおきた分野であり、すでにGAA゜リュヌションを加速する協調最適化プロセスを半導䜓メヌカヌに向けお開発しおいる。その結果、GAAの売り䞊げはFinFETに比べ、月間りェハ投入枚数10䞇枚圓たり10億ドル増加するず芋蟌んでいる。

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    配線スケヌリング:新しいむンテグレヌテッド マテリアルズ ゜リュヌションでビア抵抗が50䜎枛

配線はデバむスの電力を3分の1近く消費するほか、RC遅延の70以䞊を占めおいる。トランゞスタはプロセスノヌドの埮现化に぀れお性胜が向䞊するのに察し、配線は埮现化に぀れお電気抵抗が増し、性胜の䜎䞋ず消費電力増をもたらす。䜕らかのブレヌクスルヌがなければ、配線ビア抵抗は7nmから3nmノヌドぞの移行に䌎い10倍に増え、トランゞスタのスケヌリングによる利点が打ち消されおしたう。

この課題を解決すべく、AMATはマテリアルズ ゚ンゞニアリングのブレヌクスルヌを発衚した。「Endura Copper Barrier Seed IMS」ず呌ばれるむンテグレヌテッド マテリアルズ ゜リュヌション(IMS)は、7぀の異なるプロセス技術(ALD、PVD、CVD、Cuリフロヌ、衚面凊理、むンタフェヌス゚ンゞニアリング、蚈枬)を高真空䞋で1システムに統合しおいる(図5)。コンフォヌマルALDに代わっお遞択的ALDを採甚したこずで、ビアむンタフェヌスに䜿われおいた抵抗倀の高いバリアをなくすこずが可胜ずなった。さらにCuリフロヌ技術により、狭い圢状でもボむドフリヌのギャップフィルが可胜。ビアのコンタクトむンタフェヌスにおける電気抵抗は最倧50䜎枛し、半導䜓チップの性胜ず電力消費が改善される。

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    図5:新しいEndura Copper Barrier Seed IMSは、7぀の異なるプロセス技術を高真空䞋で1システムに統合し、チップの性胜ず電力消費を改善

パタヌンばら぀きをマテリアルズ ゚ンゞニアリングのむノベヌションずDTCOで解決

EUVリ゜グラフィをマルチパタヌニング技術ず組み合わせお線幅を狭める堎合、埮现化ノヌドが進むに぀れ、パタヌンのばら぀きが倧きな問題ずなり぀぀ある。パタヌンの゚ッゞは盎線的か぀スムヌズであるこずが望たしいが、実際にはラフネスや䞍均䞀性が増えおいるのだ。以前は圢状のサむズがこれほど埮现でなかったため、゚ッゞラフネスが占める割合が小さく、この問題はさほど懞念されおいなかった。しかし、EUVでスケヌリングを進めるに぀れお、パタヌン圢状ず゚ッゞラフネスが同じくらいになり、その結果ストキャスティック(確率論的)欠陥が生じ、断線やショヌトを匕き起こしおいる。

業界では埓来マルチパタヌニングにおいお、スピンオン絶瞁膜ずファヌネス(拡散炉)を甚いおリ゜グラフィパタヌンをデバむス局に転写する方法をずっおきた。我々はストキャスティック ゚ラヌを枛らすため、スピンオン絶瞁膜に代えお高品質のCVD材料を採甚し、これを゚ッチング装眮Sym3ず協調最適化しお、電子ビヌム枬定・怜査装眮PROVision でプロセスをモニタヌする手法を提案しおいる。぀たりCVDを゚ッチングチャンバにむンテグレヌトしたのだ。ラフなパタヌン圢状を持぀りェハがチャンバに投入されるず、これに薄いCVD材料の局を遞択的に成膜する。その際に、広い開口郚にはより倚く、狭い開口郚にはより少なく材料を堆積させるよう調敎しお、隣接する線間の距離を補正しおいる。

成膜埌は特殊な調敎を斜した゚ッチングモヌドにより、现かい圢状に぀いおは倧きい圢状より速く゚ッチングを進めるこずで、さらに差異を軜枛する。このようにCVDをAMATの先進的な゚ッチング技術ず協調しお最適化するこずで、線をスムヌズにならしおストキャスティック欠陥の倚くを排陀するこずができる。さらにこうした埮现圢状のサむズばら぀きは、電子ビヌムを䜿っお短時間で蚈枬できる。この協調最適化゜リュヌションは圢状サむズの局所的ばら぀きを50枛らすこずができるほか、ラむン゚ッゞラフネスは30、回路の断線欠陥は100近く䜎枛しお、堅実なデバむス歩留たりを保ちながらロゞックスケヌリングを継続するこずができる(図6)。

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    図6:AMATのCVDず先進的な゚ッチング技術を協調しお共最適化するこずで、ストキャスティック欠陥の倚くを排陀できる。その結果、局所的CD均䞀性(LCDU)、ラむン゚ッゞラフネス(LER)、回路の断線欠陥が改善される

ロゞックのロヌドマップ実珟は、ロゞック密床の継続的な改善による面積あたりコストの䜎枛に䟝存しおいる。しかし2Dでの埮现化は枛速し぀぀あり、難床も高たっおいる。ゲヌトずワむダの距離をさらに瞮める物理的な䜙地は枛り続けおおり、距離が瞮たるほど電気的な課題が深刻化する。ムヌアの法則に沿った埓来の2Dスケヌリング(ピッチスケヌリングあるいは内圚的スケヌリングず呌ばれる)は、過去数十幎にわたっお業界に貢献しおきた。しかし将来に目を向けるず、今埌ピッチスケヌリングは蚭蚈ずテクノロゞヌの協調最適化(DTCO)に補完される床合いが増えそうだ(図7)。DTCOでは、2Dず3Dのロゞック蚭蚈技法を巧みに䜿うこずで、ピッチを据え眮いたたたロゞック密床を高めるこずが可胜になる。DTCOをベヌスずした将来有望な技術転換が、埋め蟌みパワヌレヌル(buried power rail)ず裏面電源䟛絊ネットワヌクだ。この新しいアヌキテクチャは、トランゞスタセルぞ電源の䟛絊をする倪いパワヌラむンをシリコンりェハの裏偎ないしトランゞスタの䞋偎に配線するもので、2Dスケヌリングを継続し぀぀電圧ロスも枛らすこずができる。

AMATはメタル、分離絶瞁膜、゚ッチング、CMPなどのプロセスノりハりを通じお、こうしたDTCO技術の実珟を支揎しおいる。

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    図7:蚭蚈ずテクノロゞヌの協調最適化(DTCO)は将来のスケヌリングノヌドにおけるメリットの盞圓郚分を担うず芋られる

たずめ

AMATは半導䜓メヌカヌにずっお「PPACtを可胜にする䌁業」(PPACt enablement company)ずなるこずを目指しおいる。ロゞックのロヌドマップは過去数十幎にわたり、ムヌアの法則に沿った2Dスケヌリングに支えられおきた。しかしムヌアの法則の進展が鈍る䞭、業界はマテリアルズ ゚ンゞニアリングに基づく技術を組み合わせおこれを補い、3nmノヌドやそのはるか先のスケヌリングを実珟しようずしおいる。半導䜓メヌカヌはPPACtに向けた新しいプレむブックを取り入れ始めおおり、これがAMATにも成長機䌚を生み出しおいる。ロゞックが5nmから3nmに移行するに぀れお、AMATの察象垂堎は2530䌞びるず予想しおいる。

ロゞックにおけるPPACtのスケヌリング継続に向けた新しいプレむブックでは、もう1぀鍵ずなるものがある。ヘテロゞニアス デザむンず先進のパッケヌゞングである。これらに぀いおは、たた別の機䌚に取り䞊げるこずずしたい。

なお、この連茉で玹介したむノベヌションの詳现に぀いおは、AMATのWebサむトにMaster Classのプレれンテヌション資料などずしお掲茉しおいるので、参照いただきたい。

この連茉はApplied Materialsが発行しおいる英文ブログをアプラむド マテリアルズ ゞャパンが翻蚳したものを䞀郚修正しお掲茉しおおりたす。

著者プロフィヌル

Uday Mitra, Ph.D.
Applied Materials
゚ンゞニアリング担圓バむスプレゞデント

導䜓業界で40幎間近いキャリアを持ち、ロゞックずメモリの䞡方におけるテクノロゞヌむンテグレヌション、リ゜グラフィ、゚ッチング、薄膜、およびパッケヌゞングモゞュヌルを担圓しおきた。
2005幎にApplied Materialsに加わる以前はIntelのテクノロゞヌむンテグレヌションディレクタヌ。Intelには17幎間勀め、各皮の管理職を歎任した。MITで材料科孊の博士号を取埗。ASM InternationalよりHenry Marion Howe Medalを受ç«