Chromebookで経費も面倒も減るかも
大型家電量販店のパソコン売り場を訪れると、「GIGAスクール構想対応パソコン」といったコーナーが設けられていることがある。仕事や私事で使うパソコンを調査していると、このGIGAスクール構想対応パソコンは廉価なことが多い。
GIGAスクール構想とは、全国の児童・生徒1人に1台のコンピュータと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組みだ。つまり、「GIGAスクール構想対応パソコン」は学生を対象としたものだが、大人が使う分にも問題ないかと思えてくる。
ただしよくみると、使われているOSがWindowsではなくChrome OSだったり、Windowsパソコンではなく「Chromebook」という表記になっているモデルが用意されていることに気がつく。同じパソコンであることに違いはないのだが、使われているオペレーティングシステムが違う。
世界と比べて、日本におけるChromebookの普及率は低い。しかし、日本においてもGIGAスクール構想および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)インシデントの発生以降、Chromebookのシェアが増えている。
Chromebookと呼ばれるこのパソコンは、条件がはまると「安い」「セキュア」という利点を得ることができる。ビジネスシーンでうまく活用できると、購入に関する経費削減と、管理運用に関する経費および人的資源の削減を行うことができる。活用できるならぜひ活用したい。
本連載はChromebookがどういったパソコンなのか、どういったことができるのかを取り上げて、ビジネスシーンでどのように活用できるかを紹介していく。
Chromebookってどんなパソコン?
Chromebookは、「Googleが開発したChrome OSというオペレーティングシステムを搭載したパソコン」だ。「Chrome OS」とは、Linuxをベースに開発されているオペレーティングシステムだ。WindowsでもMacでもない。Windows用のアプリケーションはChrome OSでは動かないし、Mac用のアプリケーションもChrome OSでは動かない。一方、AndroidアプリはChrome OSでも動く。
具体的に、ChromebookがWindowsやMacとどう違うのかを説明するのはかなり難しい。ChromebookとWindowsは抜本的に異なるものではあるが、採用している概念はどれもかなり似通っている。つまり、視点を明らかにしないと比較しても意味がないだろう。
大雑把な言い方になるが、最初は「AndroidスマートフォンをWindowsパソコンにしたようなもの」と捉えておくとわかりやすいと思う。
スマートフォンで使われているAndroidはLinuxをベースに開発されている。Chrome OSもLinuxをベースにしている。この2つのオペレーティングシステムはベースとして使っているソフトウェアに共通部分が多い。Androidはスマートフォンやタブレットデバイスを主な対象に、Chrome OSはデスクトップパソコンを主な対象にしている点が大きく異なるところだ。
Chromebookのスタイル
Chromebookはデバイスの種類としては、ノートパソコンのスタイルを取っていることが多い。現在提供されているモデルを分類すると、主に次の3つがある。
- ノートパソコン
- ノートパソコン+タッチパネル(2-in-1) 360°回転ディスプレイ
- ノートパソコン+タッチパネル(2-in-1) 取り外し可能ディスプレイ
つまり、Chromebookはノートパソコンまたはタブレットデバイスの機能を備えたもの、といったポジションにある。