Microsoftの提供するメールアドレスをビジネスで使っているケースは多い。企業全体でMicrosoftのソリューションを導入しているならなおのことだ。しかし、Chromebook (ChromeOS)はGoogleが開発しているため、デフォルトのメールはGmailだ。そこで今回は、ChromebookでGmail以外のメールアドレスとして、Microsoftのメールアドレスを使う方法を紹介しよう。
Microsoftのメールアドレスはさまざま
Microsoftが大規模にメールアドレスの提供を開始したのは、HotmailというWebメールのサービスからと言える。このサービスは後にWindows Live Hotmailとなり、さらにOutlook.comとなり、現在ではOutlookという名称でこれらメールサービスが統合された状態にある。
サービスが変遷を続けているためわかりにくいが、次のようなドメイン名で提供されているメールアドレスは、Microsoftが大規模に提供しているものと考えておけばよいだろう。
- @hotmail.com
- @live.com
- @msn.com
- @passport.com
- @outlook.com
.comの部分は各国で発行された国別コードトップレベルドメインなどに置き換わっていることもある。日本では、@outlook.jpなどが使われている。
こうしたメールアドレスはMicrosoft Outlookで扱うことができる。Chromebookでも基本的にはMicrosoft Outlookを使うことになる。
Chromebookで使うMicrosoft Outlook
プロダクトやサービスの名称が変わっているためわかりにくいが、「Microsoft Outlook」という名称は、現在では、Windows版Outlookアプリケーション、Web版Outlook、iOS版Outlookアプリ、Android版Outlookアプリなどを包括的に指す意味合いが強い。Outlookが最も大枠となる名称で、それぞれ実装系の異なる製品やサービスが提供されているといったイメージだ。
一方、Chromebookに対するOutlookアプリは提供されていない。Microsoftが推奨するChromebookにおけるOutlookの使い方は、OutlookのWeb版の利用となる。まずは、このオフィシャルな方法を使うというのが最初に取るべき行動と言える。
Web版Outlookを使う
ChromebookでWeb版のOutlookを使うのは簡単だ。https://outlook.com/にアクセスしてMicrosoftアカウントでサインインすればよい。
サインインすると、次のようなページが表示される。これがWeb版のOutlookだ。
WindowsでMicrosoftのメールアドレスを使う場合、「Windowsにデフォルトでインストールされているメールアプリを使う」「Microsoft Outlook (デスクトップ版)を使う」「Web版Outlookを使う」のいずれかオフィシャルな方法になる。
もしすでにWeb版のOutlookを使っているなら、Chromebookで使えるWeb版のOutlookは基本的に同じものだ。その場合は、Web版Outlookの操作で迷うことはないだろう。
Chromebookでは、Webページをアプリのように登録することができる。登録しておくと、最初からインストールされているアプリやGoogle Playからインストールしたアプリのように使えるので、他のアプリとの違いを感じることはない。
登録は、Web版のOutlookを開いた状態でメニューから「その他のツール」→「ショートカットを作成…」を選択し、表示したい名前を入力してから「作成」ボタンを押すことで行う。
オプションとして「ウィンドウとして開く」という項目があるが、この項目にチェックを入れると、説明にあるとおりChromeのタブとしてではなく独立したウィンドウとして表示されるようになる。アプリと近いニュアンスで使いたい場合は、「ウィンドウとして開く」にチェックを入れておく。
この操作を行うと次のスクリーンショットのようにランチャーにOutlookのアイコンが登録される。
ランチャーに登録されたアイコンをクリックすると、次のようにOutlookが起動してくることを確認できる(「ウィンドウとして開く」にチェックを入れた場合のスクリーンショット)。
Outlookの起動をシェルフから行いたい場合は、ランチャーのOutlookのアイコン上で右クリックを行い、表示されたメニューから「シェルフに固定」を選択する。
この設定を行うと次のスクリーンショットのようにシェルフにOutlookのアイコンが表示される。
Chromebook (ChromeOS)は、もともとWebアプリケーションをアプリように扱うことを想定して設計されたシステムだ。このようにWebアプリケーションをアプリとして扱っていくことは、Chromebook本来の使い方に近いもので、Googleが想定していた使い方に近い。
ChromebookはWebアプリが得意
Chromebook (ChromeOS)の当初の設計は、Webブラウザの技術を利用することに重きを置いている。利用するアプリケーションも主にWebアプリケーションを利用するといった発想に基づいている。
このため、個別にアプリをインストールするスマートフォンやタブレットデバイスとは発想がちょっと違うのだ。今ではChromebook用アプリやAndroidアプリが使えるので状況は異なっているのだが、根本的な考え方としてそうした違いがある。
Chromebookでアプリケーションを探す場合、Webアプリケーションも有力な選択肢になることを覚えておいてもらえればと思う。もちろんアプリを使う方法もあるので、そうした方法も取り上げていく。