SpaceX(スペースX)は11月4日、米国で展開するモバイルサービス「Starlink Mobile」の地上基地局向けに、Qualcommの「Dragonwing」セルラーインフラ製品を採用すると発表した。複数年にわたる契約で、金銭条件は明らかにされていない。Qualcommは5G分野で最大規模の取り組みと位置づけている。

Qualcommの64T64R Massive MIMOを採用

対象となるのは、Qualcommの無線ユニット向けの「Dragonwing QRU100」と、レイヤー1処理を担う「QDU100」の2製品だ。Starlink Mobileは64送信・64受信(64T64R)のMassive MIMO無線ユニットを採用し、カバレッジと容量、周波数利用効率の向上を図る。

Qualcommは、無線と分散ユニットの双方で電力あたり性能を高め、大規模展開時の経済性につなげるとしている。ネットワークは複数帯域にまたがり、段階的に展開される。

全米展開は2027年に始まり、契約期間中に数万カ所の基地局を整備する計画だ。背景には、SpaceXによるモバイル事業の拡大戦略がある。CNBCによると、Starlinkは第3四半期に売上高の36%、営業利益の85%を占める中核事業となっているが、衛星だけでは音声・映像・データのすべてでスマートフォン向けに十分な通信品質を提供しにくい。

衛星と地上網を統合した全米ネットワーク構築へ

同社は10月に800MHz帯の全米スペクトラムの取得で合意し、Washington Postは今週、EchoStarのBoost Mobile買収に向けた協議を報じた。Qualcommにとっても、基地局向けでは大型案件となる。

Qualcommのエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ、Durga Malladi氏は「5Gを前進させるとともに、将来のAI-native 6Gの基盤を築く機会がある」とコメントした。

一方、SpaceXでStarlink担当シニアバイスプレジデントのMichael Nicolls氏は「衛星と地上網を統合した初の全米ネットワークを構築する。Qualcommの専門知見とプラットフォームでエンドツーエンドの基地局アーキテクチャ開発を加速できる」と述べている。