このFPDニュースのまとめ

・JDIがLCDモジュール「WhiteMagic PRO」の量産を開始
・最大輝度を従来の1000cd/m2から2000cd/m2へ引き上げ
・DCI-P3対応により屋外での視認性と豊かな色再現を両立

ジャパンディスプレイ(JDI)は11月4日、高輝度、広色域と低消費電力を両立したLCDモジュール「WhiteMagic PRO」を開発し、国内外で高いブランド力を持つデジタルカメラメーカー向けに量産を開始したことを発表した。2026年11月から順次出荷する予定としている。

WhiteMagicは、一般的な液晶ディスプレイが使用する赤、緑、青のRGB画素にWhite画素を加えたRGBW構成と、JDI独自の信号処理技術を組み合わせたディスプレイ製品。White画素から光を効率的に透過させることで、バックライトの消費電力を抑えながら高輝度表示を実現できることを特徴としている。

これまでスマートフォンやデジタルカメラをはじめとする民生機器に採用されてきた実績があり、今回のWhiteMagic PROでは、従来製品のRGBW技術と信号処理技術をさらに進化させたという。

最大輝度を従来の2倍となる2000cd/m2へ向上

WhiteMagic PROでは、RGBW技術と独自の信号処理技術に加え、高効率バックライトと高演色カラーフィルターを組み合わせることで、低消費電力を維持しながら2000cd/m2の最大輝度を実現した。

従来のWhiteMagicの最大輝度は1000cd/m2で、新製品では同じ3.15インチの画面サイズと1024×682画素の解像度、390ppiの精細度を維持しながら、最大輝度を従来比2倍に引き上げた。

コントラスト比は従来製品と同じ1500:1。最大輝度の向上により、日差しの強い屋外でも画面を確認しやすくし、デジタルカメラによる撮影時の視認性向上につなげられるとしている。

  • 外光下における従来の「WhiteMagic」と新開発の「WhiteMagic PRO」の画像表示イメージ

    外光下における従来の「WhiteMagic」と新開発の「WhiteMagic PRO」の画像表示イメージ (出所:JDI)

色域をsRGBからDCI-P3へ拡大

色再現性能については、従来のsRGBから、映画制作をはじめとする映像分野で広く採用されている広色域規格「DCI-P3」へ対応範囲を拡大した。

DCI-P3はsRGBよりも広い色域をカバーする規格で、写真や映像に含まれる色をより豊かに再現できる。WhiteMagic PROでは、高演色カラーフィルターを採用することで、最大輝度の向上と広色域化を両立した。

これにより、撮影した写真や映像の色味、階調、質感をカメラのディスプレイ上で確認しやすくし、撮影者が意図した映像表現の把握を支援するという。

特に屋外撮影では、周囲が明るい環境での視認性に加え、被写体の色を自然かつ豊かに表示できることが求められる。そのため、高輝度と広色域の両立がカメラの表示性能向上につながるとみられる。

高輝度化と低消費電力を両立

WhiteMagic PROは高輝度化や広色域化を進めながら、WhiteMagicが特徴としてきた低消費電力性能を維持している。

バッテリーで動作するデジタルカメラでは、画面の視認性を高めるためにバックライトの出力を引き上げると、消費電力の増加によって連続使用時間が短くなる可能性がある。

RGBW構成と高効率バックライトを活用するWhiteMagic PROは、White画素によって光の利用効率を高め、表示性能の向上とバッテリー消費の抑制を両立することを狙った製品となる。

JDIは今後、WhiteMagic PROを次世代ディスプレイ製品の1つとして位置付け、デジタルカメラに加えて幅広いアプリケーションへの展開を進めることで、市場の拡大と顧客価値の向上を目指すとしている。