GitHubは2026年10月28日(現地時間)、「Route and orchestrate models with GitHub Copilot Fusion - GitHub Changelog」において、複数のAIモデルを自動選択・連携させる「Copilot Fusion」の一般提供を開始した。作業の難易度に応じてAIモデルや実行方式を切り替え、コーディングの効率化とコスト削減を図る。性能評価ではClaude Codeに迫る結果を示し、タスク当たりのAPI費用は約半分、処理時間も約40%短かったという。
開発者は作業ごとにAIモデルを手動で選ぶ手間を減らせる。Artificial Analysisの「Coding Agent Index」の性能評価では、Opus 5.5 Maxを実行するClaude Codeに2ポイント差まで迫り、コストは約半分だったという。
Copilot Fusionとは? AIモデルの選択と連携を自動化
GitHub Copilotでは、OpenAI、Anthropic、Googleの複数のAIモデルを利用できる。選択肢の多さは柔軟性につながる反面、開発者自身が作業に適したモデルを判断し、切り替える手間が生じていた。
GitHubは「GitHub Universe 2026」でCopilot Fusionを発表し、モデル選択と連携の自動化を打ち出した。これは最適なAIモデルを自動的に選択および組み合わせることで、効率的なコーディング作業を実現する機能だ。
同機能は、既存の自動モデル選択技術と、9月に研究プレビューとして公開した「Project HydraFusion」のマルチモデルオーケストレーション技術で構成される。タスクの複雑さを自動で分析し、使用するモデルの種類、モデル連携の必要性を判断する。
費用対効果の方向性を決定づける作業レベルには、3つの選択肢が設けられた。「Standard」は日常的なコーディング作業向けで、効率と費用を優先する。「High」は複雑な作業に対して、より高性能なモデルと追加の推論を活用する。「Max」は深い推論を要する難度の高い作業向けで、能力の高いモデルを優先する。
利用者はモデル選択メニューからCopilot Fusionを選択し、作業レベルを指定する。指示を入力すると各タスクが分析され、必要に応じて次の3種類のワークフローでオーケストレーションする。
- Single - 単一モデルでタスクを処理する
- Cascade - 費用効率の高いモデルが優先的にタスクを処理し、別のモデルが結果を評価する。必要と判断した場合には、高性能モデルへ引き継ぐ
- Critique - 最初のモデルが回答を生成し、ほかのモデルが内容を検証してフィードバックを返す。最初のモデルはその意見を受けて回答を修正する
ワークフローはシステムが自動で選択するため開発者が管理する必要はない。Neowinはこの仕組みによって、単純作業への無駄な出費や遅延を回避できると説明している。
Claude Codeと性能差2ポイント、API費用は約半分
Artificial Analysisの性能評価では、Copilot Fusion Maxは60点を獲得し、Claude Code(Opus 5.5 Max)の62点に2ポイント差まで迫った。タスク当たりの平均API費用はClaude Codeの11.42ドルに対して5.59ドルと約半分で、平均処理時間も60分に対して36.1分と約40%短かった。
コスト面の評価では、Copilot Fusionはタスク当たりの平均API費用がおよそ半分で、使用トークン数も半分に抑え、処理時間を約40%短縮した。ただし、これらの数値は実験環境における結果であり、実際の性能、コストとは異なる可能性がある(参考情報:「GitHubのXへの投稿」)。
なお、実験的な機能として、クラウド上のモデルとローカルモデルの間でタスクを振り分ける仕組みも導入された。対応する環境では、「Standard」を選択することで「MAI Code 1.1 Flash」または「Qwen3.8 Flash Next」を自動的に使用する可能性が高くなるという(参考資料:「GitHub Copilot Fusion の概要 - GitHubドキュメント」)。
Copilot Fusionは全プランで利用可能、11月末まで割引
Copilot FusionはVisual Studio Code、GitHub Copilot CLI、GitHub Copilotアプリ、JetBrains IDEのすべてのGitHub Copilotプランを対象に一般提供が開始された。連携機能そのものに追加料金はかからず、利用した個々のモデルごとに費用が発生する。
また、GitHubは2026年11月30日まで、モデルコストの割引を実施すると発表した。有償のCopilotプランのユーザーは、Copilot Fusionを使用する場合に限り、30%の割引が適用される。


