この半導体ニュースのまとめ
・STがRemi El-Ouazzane氏をCTO、Marco Cassis氏をCSOへ任命
・製品部門と研究開発の連携を強化し、イノベーションと市場投入を加速
・新体制は2027年1月1日付で発効し、3月末までに移行を完了する予定
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は10月29日、新たな組織体制と経営陣人事を発表した。
製品開発、研究開発、技術活動の連携を全社的に強化するとともに、事業戦略と先端技術・製品ロードマップの整合性を高め、次の成長とイノベーションにつなげる狙いがある。
新体制は2027年1月1日付で発効し、2027年3月末までに移行を完了する予定。また、2027年1月から報告セグメントも変更する。
デジタル製品部門トップをCTOに任命
マイクロコントローラ・デジタルIC・RF&光学通信製品グループの社長を務めるRemi El-Ouazzane氏は、新たにSTの最高技術責任者(CTO)へ就任する。El-Ouazzane氏は引き続き同製品グループを率いるとともに、新たにイメージングセンサ・サブグループを担当する。
CTOとしては、デジタルCMOSとその派生技術に関する研究開発を統括。対象には、RFミックスド・シグナル、組み込みFlash、イメージング、先端パッケージ、テスト・特性評価などが含まれる。
さらに、グローバル・システム・リサーチ&アプリケーションとシステム・エンジニアリングも担当する。
デジタル製品の開発部門と、基盤技術や先端パッケージ、システム研究などの研究開発部門を同じ責任者の下へ集約し、製品開発と技術ロードマップの連携を強化する。
アナログ・パワー・MEMSの研究開発を製品部門へ統合
アナログ・パワー&ディスクリート・MEMS・センサグループの社長を務めるMarco Cassis氏は、同製品グループに関連する研究開発も担当する。
対象となるのは、アナログ、パワー&ディスクリート、MEMSの各技術。製品部門と関連技術の研究開発を一体的に運営することで、同製品グループの収益を伴う成長を加速させる。
STは、SiCやGaNを含むパワー半導体、アナログIC、MEMSセンサなどを幅広い市場へ展開している。製品戦略と研究開発の距離を縮め、市場や顧客の要件を技術開発と製品ロードマップへ反映しやすい体制を構築する。
Marco Cassis氏をCSOに任命
Cassis氏は、STの戦略部門を引き続き統括するとともに、新たに最高戦略責任者(CSO)へ就任する。
CSOとして、市場環境の変化を踏まえてSTのビジョンと事業目標を整合させるほか、競争環境を予測し、成長機会とパートナーシップ機会を特定する。
追加的なM&Aの機会についても検討し、既存事業の成長、外部企業との協業、買収などを組み合わせた中長期戦略を推進する役割を担う。
技術ロードマップと事業戦略の連携を強化
STの社長兼最高経営責任者(CEO)であるJean-Marc Chery氏は、CTOとCSOの責務は相互に密接に関連すると説明しているほか、両氏が、STの経営取締役会および経営委員会とともに、事業戦略と先端技術・製品ロードマップの連携を強め、長期的な方向性と成長機会の拡大を支えるとしている。
なお、今回発表された範囲以外の組織に変更はない。同社は現在、製造拠点の再編や近代化も進めており、フランスではデジタル技術、イタリアではアナログ・パワー技術など、各拠点の役割を明確化している。
今回の組織変更では、製品グループと研究開発の責任を近づけるとともに、全社戦略を担うCSOを設置。技術開発、製品化、事業戦略を連動させ、成長市場に向けた製品投入を迅速化する考えだ。