巨大なエネルギーを産む核融合の国際実験炉「ITER(イーター)」が、南仏サン・ポール・レ・デュランスの建設現場で大きな節目を迎えた。ITER機構などによると、真空容器の9つのパーツのうち最後のパーツが到着した。これにより、炉心を構成する全ての主要要素が現場にそろった形だ。

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    ITER建設現場に到着した最後の真空容器パーツ。カバーに覆われている=今月5日(ITER機構提供)

核融合炉は太陽と同じ原理で、水素のような軽い原子核を融合させ、ヘリウムなどのより重い原子核を人工的に作り出す装置。未来の発電炉として期待され、研究が進められている。炉内では超高温で原子から電子が離れ、イオンや電子がバラバラに飛び回るプラズマ状態が生じる。

ITERは初の核融合実験炉を目指す国際計画。日本と欧州連合(EU)、米国、ロシア、韓国、中国、インドの7極が参加し、2007年に建設を開始した。ドーナツ状の強い磁場でプラズマを閉じ込める主流の方式「トカマク」を採用する。計画は遅れており、本格実証である重水素と三重水素の核融合による運転の開始は、現時点で39年を目指している。

真空容器はプラズマを生成するための容器で、内部を高真空に保ち、プラズマが外部に触れないようにする。パーツの製造は韓国が4つ、欧州が5つを担当した。今月5日の納入式典で、欧州で製造を主導した専門機関「フュージョン・フォー・エナジー(F4E)」のマルク・ラシェーズ局長は「欧州による真空容器の調達は、ITER機構などとの緊密な連携があってこそ完遂できた。感慨深い瞬間で、成し遂げたことは私たちの誇りだ」とオンラインで話した。

わが国は遠隔保守システムや、プラズマ中の不純物や熱を取り除く機器「ダイバーター」、強力な磁場でプラズマを閉じ込めるための「トロイダル磁場コイル」など、主要機器の開発を担当している。

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    9月上旬、イタリアの工場で真空容器パーツの最終確認作業が行われた(フュージョン・フォー・エナジー提供)

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