みらいスタジオは10月26日、WordPressやStudioで構築された企業・団体のWebサイトを、デザインとURLを維持したまま静的サイトへ移行するサービス「ホットケル(Hottokel)」の提供を開始したと発表した。同サービスでは、公開サーバーからPHPやデータベース、ログイン画面、プラグインをなくし、問い合わせ内容は同社の暗号化フォーム「フウイン」で受け取る。

公開サーバーにはHTML、CSS、画像のみを配置

ホットケルでは、既存サイトのデザインとURLを引き継ぎながら、公開サーバーに置くデータをHTML、CSS、画像に限定する。公開サーバーではPHPやデータベースを使用せず、管理用のログイン画面やプラグインも配置しない構成だ。公開サーバー上でPHPを動かさないことで、PHP自体の脆弱性による影響を避けられるとしている。

  • 比較

    移行前(WordPress の例)と移行後の、公開サーバーに置くものの比較

問い合わせフォームには、同社の暗号化フォーム「フウイン」を採用。入力内容は、訪問者が送信ボタンを押した時点でブラウザ内において暗号化され、同社のサーバーには暗号文だけが保管される。内容を開けるのは、顧客の担当者が顔認証や指紋認証で使用するパスキーと、顧客が保管するリカバリーコードに限られており、みらいスタジオ側では復号できないという。

  • フウインの流れ

    ブラウザで暗号化し、保管サーバーには暗号文だけが届き、担当者がパスキーで開く

また、検索エンジンやAIによる情報の読み取りも考慮した。JavaScriptで後から描画していた本文をHTMLとして書き出すほか、見出し構造や会社情報の構造化データ、AI向けのサイト案内「llms.txt」、ページごとのテキスト版を整備する。ただし、検索順位やAIの回答への反映は各サービス側が判断するため、同社は効果を保証していない。

移行時には全ページをスキャンし、誤字脱字とみられる箇所や、ページ間で数字が異なる箇所などを検出した上で、移行報告レポートとして提供する。

URL診断からプレビュー確認を経て切り替え

利用者はWebサイトのURLを送るだけで診断を申し込める。この段階ではログイン情報を必要としない。AIが全ページを読み取り、移行の可否や置き換えが必要な機能を整理し、ページ数とフォーム数を基に見積もりを確定する。診断結果は翌々営業日まで、最短では当日に通知するとしている。

  • サービスの流れ

    サービスの流れ

診断後は、移行後のサイトを公開前のURLで確認することができる。確認を終えた後にドメインの向き先を切り替え、全ページの表示やURL、外部タグ、リンクについて、移行前後を比較したレポートを提供するという。

なお、ネットショップ、会員登録やログイン機能のあるサイト、予約システムを組み込んだサイトは対象外となる。診断で静的サイトへの移行に適さないと判断した場合は、その理由を利用者に伝える。

初期費用は15万円から、月額9,800円

「A 移行と暗号化フォーム」プランは、静的サイトへの移行、フウイン、迷惑送信対策、SEO・AIOの整備、移行レポートを含み、初期費用は15万円から、月額料金は9,800円(いずれも税別)。初期費用には10ページ、フォーム3つまでが含まれる。

そのほか、Aに加え、チャットやメールでの依頼からAIが下書きを作り、担当者がパスキーで承認して公開する「B 記事の更新つき」プランも提供する。公開は月4件までで、初期費用はAと同じ、月額料金はAの料金を含めて2万4,800円(税別)。さらに、Bに加え、公開中のファイルの毎日の照合、年1回のセキュリティ報告書、事故時の技術調査を行う「C 監視と事故時の対応つき」プランを個別見積もりで用意する。

同社は今後、制作会社や販売代理店とのパートナーシップを広げ、企業・団体のWebサイトやランディングページの静的サイトへの移行を進める方針。制作会社が顧客へ提案する形態と、販売代理店を通じた契約の双方に対応するとしている。