この半導体ニュースのまとめ

・Intelがアリゾナ州の新量産ファブ「Fab 62」を2028年末までに稼働へ
・Fab 62はオコティージョキャンパスで6棟目となる量産ファブ
・オハイオ州のIntel Ohio Oneでも最初の大型構造トラスの設置が完了

Intelは10月21日(米国時間)、米国内における先端半導体の研究開発と製造能力の拡大状況を公表した。

米国アリゾナ州オコティージョ(オコティーヨ)では、同キャンパスで6棟目の量産ファブとなる「Fab 62」の建設と製造装置の搬入・設置を進めており、2028年末までの稼働開始を予定する。

同社はアリゾナ州で約半世紀にわたって半導体を製造してきた。オコティージョでは量産ファブに加え、先端パッケージングの研究開発、半導体の組み立て・テストも行っている。

  • 米国アリゾナ州オコティージョで建設が進むIntelのFab 62

    米国アリゾナ州にあるIntelのFab 62に掲げられた米国旗。オコティージョでは、同キャンパスで6棟目となる量産ファブの建設が進行中 (写真提供:Intel Corporation)

Fab 62の建設と装置搬入を本格化

Fab 62は、Intelが米国内で拡大を進める先端半導体の量産能力を担う新たな拠点となる。

Intel Foundryのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高技術・オペレーション責任者のNaga Chandrasekaran氏によると、Fab 62では建設工事に加え、製造装置の搬入・設置が本格的に進められているという。

Intelは、半導体技術の競争力を維持するには、研究開発、プロセス技術の確立、量産を米国内で密接に連携させる必要があるとの考えを示す。

米国半導体工業会(SIA)によると、世界の半導体生産に占める米国の割合は、1990年の37%から2022年には10%まで低下したという。Intelは、半導体と演算能力に対する需要が拡大する中、米国内の研究開発・製造能力を高める必要性が増しているとしている。

Ohio Oneで最初の大型構造トラスを設置

オハイオ州ニューアルバニーで建設を進める「Intel Ohio One」では、最初のファブの建屋に用いる大型構造トラスの設置を完了した。Intelは今回の設置を、Ohio Oneにおける建設の進捗を示す大きな節目と位置付けている。

  • Intel Ohio Oneの最初のファブに大型構造トラスを設置する様子

    米国オハイオ州ニューアルバニーにあるIntel Ohio Oneの建設現場で、最初の工場棟に用いる大型構造トラスを吊り上げ・設置。建設の進捗を示す大きな節目 (写真提供:Intel Corporation)

Intel Ohio Oneは、米国内における先端半導体の製造能力を拡大するための新拠点となる。同社は今後の市場需要に応じて、施設の建設と製造能力の立ち上げを進める。

大型構造トラスの設置完了時には、Intel Foundryと建設を担当するBechtelの関係者が現場に集まり、建設の進展を確認した。

  • 大型構造トラスの設置が完了したIntel Ohio Oneの建設現場

    米国オハイオ州ニューアルバニーにあるIntel Ohio Oneの建設現場。最初の大型構造トラスの設置完了後、夕暮れを背景に並ぶIntel Foundryの従業員とBechtelの建設作業員 (写真提供:Intel Corporation)

また、建設の節目を記念し、Intel FoundryのMichael Shveidel氏、Lindsay Johnson氏、Jim Evers氏、Matthew Brandy氏が「O H I O」の文字を形作った写真も公開された。

  • Intel Ohio Oneの建設現場でOHIOの文字を形作るIntel Foundryの従業員

    米国オハイオ州ニューアルバニーでの建設の節目を記念し、「O H I O」の文字を形作るIntel Foundryの従業員、Michael Shveidel氏、Lindsay Johnson氏、Jim Evers氏、Matthew Brandy氏 (写真提供:Intel Corporation)

Intel 18Aを米国内で研究開発から量産へ

Intelは、米国内で研究開発した技術を米国内の量産へ移行する代表例として、先端プロセスノード「Intel 18A」を挙げている。

Intel 18Aは、ゲート・オール・アラウンド(GAA)型トランジスタ「RibbonFET」と、裏面電源供給技術「PowerVia」を組み合わせた現在の同社の最新プロセスノード。両技術は米国内で長年にわたって研究開発が進められ、2025年に量産が開始されたものである。

オレゴン州では、最先端ロジック技術の研究開発・製造に加え、3次元インターコネクト技術を開発している。また、商用高NA EUV露光装置を業界で初めて設置し、量産工程へ統合する取り組みも推進。高NA EUVを研究開発環境だけでなく量産へ接続することで、同技術のより広範な採用と、半導体プロセスの継続的な微細化を支援する取り組みを進めてきている。

また、先端パッケージングでは、複数のダイを高密度に接続する「EMIB-T」などの開発も進める。先端プロセスとパッケージング技術を組み合わせ、複雑化する半導体システムへの対応を図る。

米国5州で半導体製造基盤を構築

Intelの米国製造基盤は、アリゾナ、オハイオ、オレゴン、ニューメキシコ、カリフォルニアの5州にまたがる。

オレゴン州は先端ロジック技術の研究開発と製造、アリゾナ州は半導体の量産と先端パッケージングの研究開発・組み立て・テスト、ニューメキシコ州は先端パッケージングの量産を担う。

カリフォルニア州サンタクララでは、2026年に新たなフォトマスク製造施設を着工した。フォトマスクを含むプロセス開発からウェハ製造、先端パッケージング、組み立て・テストまでを米国内で連携させる。

Intelによると、米国内では49州の4500社を超えるサプライヤと取引し、年間290億ドルを超える国内支出を行っているという。

同社は、半導体製造施設への投資に加え、サプライヤや教育機関、地域社会と連携した人材育成も推進する。

研究開発からプロセス技術、前工程、先端パッケージング、組み立て・テスト、マスク製造までを米国内でつなぎ、先端半導体技術を研究室から量産、さらにグローバル市場へ展開できる基盤の構築を目指すとしている。