GVA TECHは10月7日、法務オートメーションサービス「OLGA」に、自社ひな型や過去に締結した契約書を活用できる「ファイル参照型レビュー」機能を追加したと発表した。従来のAI契約レビューで必要とされてきたプレイブックの作成や運用負担を軽減し、企業が蓄積してきた法務ナレッジをそのまま活用できる点が特徴だ。契約リスクに応じて従来型のレビュー方式と組み合わせることも可能で、法務部門のAI活用をさらに後押しする。
プレイブック整備がAI契約レビュー普及の壁だった
生成AIを活用した契約書レビューの導入は広がりを見せている。しかし、自社の法務方針や審査基準に準拠したレビューを実現するためには、詳細なルールをまとめたプレイブックや審査マニュアルの整備が必要だった。
こうした運用では、法改正や社内ルールの変更に合わせた継続的な更新作業が発生する。プレイブックの作成と維持にかかる負担が、AI活用を進めるうえで課題となっていた。
自社の契約書やひな型を活用してAIがレビュー
今回追加された「ファイル参照型レビュー」では、自社で利用している契約書ひな型やチェックリスト、過去に締結した契約書を参照ファイルとして登録できる。AIはこれらの情報を基にレビューを実施する。
利用企業はプレイブックを新たに作成する必要がなく、すでに社内に蓄積された法務ナレッジを活用できるため、導入準備にかかる工数を大幅に削減できるという。
また、レビュー処理ではAIが参照情報の分類や重み付けを行い、審査方針の策定と契約内容との照合を実施する仕組みを採用している。
外部ガイドラインも取り込める柔軟な運用性
参照対象は社内文書に限られない。Web上の解説記事や各省庁が公開するガイドライン、法令情報なども参照ファイルとして活用できる。これにより、企業独自の法務知見だけでなく、実務上参考となる外部情報も踏まえたレビュー環境を構築可能だという。
契約リスクに応じて既存レビュー方式との併用も可能
GVA TECHは、ファイル参照型レビューのみで全ての契約審査を行うことは想定していない。AIが都度参照ファイルから審査基準を生成する仕組みであるため、契約内容によっては基準のばらつきが生じる可能性がある。
そのため、重要な契約では、一貫した審査基準による指摘が可能な従来の「プレイブック参照型レビュー」と組み合わせて利用できる。契約リスクや重要度に応じてレビュー方式を選択できるハイブリッド運用が特徴となる。
