NTTドコモビジネスとPowder Keg Technologies(以下、PKT)は2026年10月2日、OTシステム向けIDS「OsecT」と自律型ペネトレーションテストツール「MUSHIKAGO」を統合し、AIを活用してOT環境の資産可視化から攻撃リスクの検証までを自動化するシステムを開発したと発表した。

同システムは、継続的脅威エクスポージャー管理(CTEM:Continuous Threat Exposure Management)をOT環境で実現し、サイバーリスクの継続的な可視化や評価、優先度に応じた対策を支援するというもの。2026年度中を目途に提供開始を予定するとしている。

OT環境向けにCTEMを実現

近年、工場のスマート化や社会インフラ分野でのIoT、フィジカルAIの活用が進む一方、OT環境を標的としたランサムウェアなどのサイバー攻撃が増加している。こうした環境では管理対象機器の増加による資産管理の複雑化に加え、システムの安定稼働を優先する必要があるため、高負荷なアクティブスキャンを用いた脆弱性検査が難しいという課題がある。

また、パッシブスキャンでは脆弱性の検知漏れが発生する可能性があり、実環境における攻撃リスクの検証結果を踏まえたリスク評価や優先度付けも難しい。加えて、セキュリティ人材不足により継続的な運用負担が増大しているという。

今回開発したシステムは、AIの推論機能と自律処理機能を活用し、資産可視化、脆弱性検知、攻撃の検証、リスク評価までを自動化するというもの。両社の共同開発により、OsecTが担うOT環境内の資産や脆弱性の可視化・検知機能と、MUSHIKAGOが持つ攻撃経路やリスクに対する自律検証機能が融合された。

資産検出からペネトレーションテストまでを自動化

システムの特長の一つは、大規模なOT資産の自動可視化である。工場やプラントなどに配置された機器をネットワークへ接続することで、OTネットワーク内の機器を自動検出する。管理者が把握していない機器を含め、OT資産を毎日自動で可視化するとしている。

また、脆弱性検知では、正規の読み取り専用コマンドを利用したアクティブスキャンを実施する。OT環境の可用性に配慮しながら機種やファームウェアを特定し、その情報を基に脆弱性を検知する。推定ではなく実際の情報を収集することで、脆弱性の検知漏れ改善を図る仕組みだ。

さらにAIを活用し、資産の可視化から脆弱性の検出・管理、ペネトレーションテストまでの一連の工程を自動実行する。両社によると、高度な専門知識を持つ人材が不足する環境でも、セキュリティ検証の運用を可能にするという。

攻撃成立の可能性を踏まえてリスクを評価

同システムは、検出した脆弱性を一覧表示するだけではなく、詳細なセキュリティテストを通じて設定不備や実際の攻撃成立の可能性を検証する。これにより、優先的に対応すべきセキュリティリスクを提示するとしている。

NTTドコモビジネスとPKTは、2026年度中を目途に製造業や社会インフラ事業者向けの法人向けソリューションとして同システムの提供を開始する予定。将来的には、NTTドコモビジネスが提供するネットワークサービスへのセキュリティ機能としての組み込みも視野に入れているという。