【 経営写 あの企業のトップに迫る 】 TSP太陽社長・池澤嘉悟

太陽工業のイベント部門が系譜

 1955年に「テント」で有名な太陽工業のイベント部門として出発した当社は、テントに絡むイベントの制作を任されるようになり、以来、イベント制作のプロフェッショナルとして博覧会や国際的なイベントを手掛けてきました。

 特に70年の大阪万博を契機に当社は大きく飛躍し、80~90年代の地方博ブームでは会場設営やパビリオン建設といったニーズにも対応。70年近い歴史の中で培ってきたイベントに関する知見やノウハウを活用することで、今では企画・制作・施工・運営・交通輸送・撤去などイベントに関する全ての作業を一気通貫で対応することができます。

 実は今もイベント市場は拡大を続けています。コロナ禍で人との接点が希薄化した反動としてリアル体験の価値が強化されたのだと思います。コンサートやスポーツ関連のイベントをはじめ、企業の周年イベントなども増加傾向にあり、もともとリアルなイベントの運営に強みを持つ当社もたくさんのご要望をいただいています。やはり人間の本能的な交流欲求が市場回復を後押ししているのでしょう。

 

来年の博覧会にも参画

 私自身、当社に入社して以来、国内外の多数の博覧会に携わってきました。昨年開催の「大阪・関西万博」ではパビリオンやスタッフが使用する運営用のアプリ開発などを主導。そして来年3月から始まる「2027年国際園芸博覧会(横浜グリーンエクスポ)」では全長約92㍍にわたるメインゲートや屋内出展施設の設計・施工や公式ショップ等のテナントとして使われる木造ユニットを開発しました。成長のきっかけを与えてくれた博覧会に恩返しができればと思っています。

 さらに当社はイベント運営で培った一貫体制で防災関連の仮設施設の設営や運営にも積極的に取り組んでいます。阪神・淡路大震災時には電力復旧工事に携わる方の拠点施設をつくり、東日本大震災のときには救援物資を保管するテントを提供し、海上輸送用コンテナを積み上げた仮設住宅もつくりました。コロナ禍のワクチン接種会場の運営も行いました。

 当社は非日常の体験を通じて人々の活力や生きる意欲を醸成するといった社会・生活における独自の立ち位置にいると思っています。今後は単なるイベント会社ではなく、「体験価値創造企業」を目指していきます。

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