Ryzen AI Embeddedに6製品が追加

今年のCES(CES 2026)にてAMDは「Ryzen AI Embeddedシリーズ」の4/6コアSKUを発表したが、3月9日に8/10/12コアの追加SKUを発表した(Photo01)。基本的には(恐らく)Strix Pointベースの製品である。

Photo02がSKU一覧である。以前の一覧と比較していただくと判るが、今回追加されたのはP164/P174/P185、およびP164i/P174i/P185iの合計6製品である。

最大12コア製品が追加

特徴としては、

  • コア数は8/10/12コアが追加された。また8コアのP164/P164iはL3が16MBであるが、10/12コアのP174/P185/P174i/P185iはL3が24MBとなっている。
  • GPUが大幅に強化された。4/6コア製品ではWGPの数が1ないし2であったが、8/10コア製品は6、12コア製品は8になっている。もっとも強化された、というよりも無効化されていたWGPの数を減らしたというべきなのだろうが。
  • LPDDR5xは8533MT/secに対応。ただしこれは特定のメモリチップに限るという制約がついており、またIndustrial TempのP164i/P174i/P185iは8000MT/secに制限されている。
  • 今回追加の6 SKUはいずれも10GbE with TSNのサポートが無い。

といった辺りで、あとはすでに発表済の4/6コア製品と同じである(もちろんBase/Max Frequencyは異なるが)。

  • Automotive Gradeに関してはSKUの追加は無い

    Photo02:Automotive Gradeに関してはSKUの追加は無い

新製品の主な差別化ポイント

ところで冒頭で「(恐らく)Strix Pointベース」と書いたのは

  • Kracken PointベースのハイエンドであるRyzen AI 5 340Ryzen AI 5 435の場合、WGPが最大4つであり、WGPが6以上の今回の製品には合致しない。
  • 10GbE with TSNを搭載していないあたり、これはKracken Pointのみの機能でStrix Pointには搭載されていない模様

というあたりからの推定である。

AMD的には今回の追加SKUはGPU性能の向上を主な訴求ポイントに挙げており(Photo03)、用途としてもGPUによる描画性能の強化(Photo04)やAI性能の強化(Photo05)が従来の4/6コアとの主な差別化ポイントになっているとする。

  • もちろんCPUもコア数が増えている分性能も増えている

    Photo03:もちろんCPUもコア数が増えている分性能も増えているのだが、GPU性能の上がり方の比ではない

  • GPU性能

    Photo04:正直4/6コア製品のGPU性能はあまり褒められるレベルのものではなかった(ArmベースのSoCと大差ない)から、これでようやくx86らしい(というのも変な表現だが)性能が利用できる様になった

  • NPUとGPUでは得意とするジャンルが異なっている

    Photo05:NPUとGPUでは得意とするジャンルが異なっており、例えばEdge LLMを実行させるのはメモリの観点から厳しい。今回の追加SKUの製品ではこうしたマーケットにも対応できる

今回の8~12コア製品はすでにサンプルを出荷開始しており、量産は2026年第3四半期を予定している(Photo06)。

  • 4/6コア製品とピンコンパチブル

    Photo06:4/6コア製品とピンコンパチブルなので、既存の4/6コア製品用のボードはそのまま利用可能

またCESの際には発表されなかったCustomer Reference Boardの写真が公開された(Photo07)ほか、Advantech/Congatec/Kontronの3社から搭載ボードがすでに出荷されている事も明らかにされた(Photo08)。

  • 出荷は今年後半の予定

    Photo07:出荷は2026年後半の予定

  • Embedded Worldで展示される

    Photo08:これらは3月10日から開催されるEmbedded Worldで展示されるとの事