ICSJ2025にて次世代パッケージング向け材料の研究成果を発表

太陽ホールディングス(太陽HD)は11月13日、同社の次世代半導体パッケージング用材料であるダマシンプロセス向け微細ピッチRDL(再配線層)ネガ型感光性絶縁材料「FPIMシリーズ」を用いたimecとの共同研究成果を「14th IEEE CPMT Symposium Japan(ICSJ2025)」にて発表したことを明らかにした。

RDLは、より効率的な電気接続のため半導体パッケージングの最先端構造において重要な技術で、現在は主に全体に薄いシード層を形成後、配線部分を電解めっきにてパターン形成する「セミアディティブプロセス(SAP)」を用いて製造されている。

しかし、今後の配線を微細化させていく中において、配線間隔1.6μm以下の形成においては絶縁膜上に配線部分の溝を形成し、スパッタ、CVD、電解めっきなどで溝を埋め込みパターンを形成するダマシンプロセスが必要になるとimecでは提唱しており、太陽HDが開発したダマシンプロセス向け微細ピッチRDL次世代材料であるFPIMシリーズを用いて、2022年10月より両社で共同研究を行ってきたという。

将来目標は配線感覚CD500nm以下のRDL形成の実現

今回の研究では、同材料を用いて300mmウェハ上にRDL3層構造を形成した後に評価を実施。各配線間隔は、ウェハ上のRDL1層でCD(クリティカルディメンション。パターン寸法)1.6μm、ビア層でCD2.0μm(ビア中心間ピッチCD4.0μm)、RDL2層でCD1.6μmと目標寸法が達成できていることが確認されたという。

太陽HDでは、この結果は、今回用いられたLow NA(NA=0.16)のi線ステッパー(Veeco製)における解像限界に極めて近い値だと説明しているほか、CD1.6μmのRDL1層における、リーク電流および抵抗の電気特性の評価結果も良好であったことが確認されたとしており、今回の共同研究による成果として、同材料が優れた電気特性と、高解像性、ならびにCMPプロセスに適応できる品質を持つ材料であることが確認出来たとしている。

  • 評価用サンプルの構造イメージ

    評価用サンプルの構造イメージ (出所:太陽HD)

なお、同材料はすでに研究開発向けに少量サンプルの出荷が開始されているほか、研究の今後の方向性については、ウェハ上の配線間隔CD500nm以下のRDL形成の実現を目指すとともに、電気特性および信頼性の長期性能の検証を続け、AI半導体のさらなる高性能化など、半導体パッケージング分野の成長に向けた材料開発を行っていくとしている。