TSMCは2025年10月の月間連結売上高が、前月比11.0%増、前年同月比16.9%増の約3674億7300万NTドルとなり、単月売上高として過去最高を更新したことを発表した。また、2025年1月から10月までの累計売上高は前年同期比33.8%増の3兆1304億3700万NTドルとなったとする。
AI需要を中心とする先端プロセスの販売が好調だったとみられるが、前年同月比での伸び率は2024年2月以降でもっとも低い伸びにとどまり、AI半導体需要が落ち着いてきたと見る向きも一部から出ているようだ。
取締役会で約150億ドルの投資やVISへの製造装置売却を承認
同社は11月11日に開催された取締役会にて、2025年度第3四半期の売上高を9899億2000万NTドル、純利益4523億ドルの確認したほか、市場の需要予測と自社の技術開発ロードマップに基づく長期的な生産能力計画達成に向けた約149億8160万ドルの資本割り当てを承認した。具体的には、「ファブ建設およびファブ施設システムの導入」、「先端技術能力の導入」、「先端パッケージングおよび成熟技術/特殊技術能力の導入」、「2026年の研究開発資本投資および持続的資本支出」、「2026年のリース資産の資本化のための投資」としている。
また、同社の関連会社であるVanguard International Semiconductor(VIS)に、約2000万~2300万ドル相当のTSMCの半導体製造装置を売却する取引を行うことも承認した。現在、TSMCは8インチ以下のレガシープロセスはVISへのアウトソースの割合を増やしており、VISの生産能力向上に向けた移管とみられる。
撤退のGaN事業、GFに技術ライセンス
TSMCは、利益率の高い先端プロセスに注力する戦略に沿って利益率の低い成熟プロセスなどから徐々に撤退を進めている。例えば中国のGaNメーカーによる価格圧力の高まりを理由に2027年7月31日までにGaNファウンドリサービスを終了し、現在GaN用に使用している台湾・新竹のFab 5を2027年7月1日から先端パッケージング用に転用する計画としている。
このTSMCが撤退を決めたGaNについて、GlobalFoundries(GF)が技術ライセンスの供与を受ける契約を締結したことを発表している。この提携により、GFは次世代GaN製品の開発を加速させるとしている。
同社は電気自動車、データセンター、再生可能エネルギーシステム、急速充電機器などに向けて650Vおよび80Vを中心とする包括的なGaNポートフォリオを開発しているが、今回のライセンス供与によりバーモント州バーリントンの製造施設(旧IBMバーリントン工場)において、TSMCのGaN技術の適格性確認を行い、同施設の高電圧GaN-on-Silicon技術に関する専門知識を活用することで、次世代パワーデバイスを求める顧客向けの量産を加速するとしている。開発は2026年初頭に、生産は同年後半に開始される予定であるという。
