Microsoftは10月31日(米国時間)、「Extending Bluetooth® LE Audio on Windows 11 with shared audio (preview)|Windows Insider Blog」において、Windows 11に新機能「共有オーディオ(プレビュー)」を搭載したと発表した。

Bluetooth LE Audioのブロードキャストテクノロジーを採用し、2台のBluetoothオーディオアクセサリーに対して音声の同時送信を可能にしたという(参考:「LE Audio |ブルートゥース テクノロジー ウェブサイト」)。

  • Extending Bluetooth® LE Audio on Windows 11 with shared audio (preview)|Windows Insider Blog

    Extending Bluetooth® LE Audio on Windows 11 with shared audio (preview)|Windows Insider Blog

補聴器もサポート、低遅延も実現

Bluetooth LE Audio(以下、LE Audio)は低消費電力、高品質、マルチストリームを主な特徴とする無線通信規格だ。LC3オーディオコーデックを採用することで、低消費電力かつ低ビットレート条件下における音質の維持を実現し、従来のヘッドホンなどに加えて補聴器もサポートする。また低遅延も実現しており、動画やゲームの視聴に耐えるという。

今回MicrosoftはこのLE Audioを基盤として共有オーディオを開発した。共有オーディオの利用シーンとして「勉強中に友達と音楽を共有」、「飛行機の中で一緒に映画を見る」などを挙げ、スピーカーの利用が制限される環境下において音声を楽しむことができると説明している。

共有オーディオを利用するには、LE Audio規格に対応したBluetoothアクセサリーを2台用意する必要がある。用意できたら2台ともWindowsとペアリングし、次にクイック設定の「共有オーディオ(プレビュー)」を表示して共有したいデバイスを選択。最後に共有(Share)ボタンをクリックすることで共有が開始される。

  • クイック設定の「共有オーディオ(プレビュー)」画面の例 - 引用:Microsoft

    クイック設定の「共有オーディオ(プレビュー)」画面の例 - 引用:Microsoft

共有オーディオはCopilot+ PCから提供を開始

Microsoftは一部のCopilot+ PCから共有オーディオの提供を開始すると発表した。他のCopilot+ PCおよび通常のWindows 11 PCについては、今後サポートを追加する予定としている。

発表と同時に提供を開始したデバイスは次のとおり。

  • Surface Laptop, 13.8-inch and 15-inch
  • Surface Laptop for Business, 13.8 and 15-inch
  • Surface Pro, 13-inch
  • Surface Pro for Business, 13-inch

近日中の提供を予定しているデバイスは次のとおり。

  • Samsung Galaxy Book5 360
  • Samsung Galaxy Book5 Pro
  • Samsung Galaxy Book5 Pro 360
  • Samsung Galaxy Book4 Edge
  • Surface Laptop, 13-inch
  • Surface Laptop for Business, 13-inch
  • Surface Pro, 12-inch
  • Surface Pro for Business, 12-inch

Windows Insider Programのユーザーが対象

共有オーディオを利用するには、前述のCopilot+ PCにWindows Insider ProgramのDevチャネルまたはBetaチャネルからリリースされたWindows 11 Insider Preview Build(26220.7051)をインストールする必要がある。本機能は段階的な展開の対象となっており、インストール直後から利用できるとは限らない点に注意が必要だ。

展開の対象となった場合は必要なドライバーがインストールされ、クイック設定に「共有オーディオ(プレビュー)」タイルが表示されるという。また、利用にあたては最新のファームウェアアップデートを必要とするケースがあるとして、各Bluetoothアクセサリーの純正アプリをインストールすることを強く推奨している。

この機能は開発中の機能であり不具合に遭遇する可能性が高い。Microsoftは不具合に遭遇したユーザーからのフィードバックを募集しており、フィードバックHubの「Bluetooth - Audio quality, glitches, choppiness and stuttering」から報告するように求めている。