22nm MRAMプロセスを採用したモータ制御マイコン

ルネサス エレクトロニクスは9月25日、同社の32ビットマイコン「RAファミリ」として、22nmプロセス採用のMRAM(磁気抵抗メモリ)内蔵製品の第2弾としてハイエンドモータ制御向けとなる「RA8T2」を発表した。

  • 「RA8T2」

    「RA8T2」のパッケージイメージと適用イメージ (提供:ルネサス)

同製品は、第1弾のAI向けマイコン「RA8P1」と同じくArm Cortex-85を搭載しながらも、動作周波数を従来の480MHzから1GHzへと引き上げることで約2倍の高速処理を可能としたもの。これにより、産業機器やロボットなどのハイエンドモータを、高速かつ高精度に制御できるようになるという。また、オプションとしてサブコア用途向けに250MHz動作のCortex-M33コア搭載モデルも用意しており、モータ制御だけでなく、通信機能や非リアルタイムのアプリケーション処理を1チップで実現することを可能としたとする。

  • RAファミリの製品ポートフォリオ

    RA8T2を加えたRAファミリの製品ポートフォリオ (提供:ルネサス)

さらに、Arm Heliumテクノロジも活用できるため、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や機械学習(ML)の実装により、モータの保守時期を予測するなどのAI機能を搭載できるようになるため、ダウンタイム削減と運用効率の向上が可能となるともするほか、ギガビットイーサネットインタフェースを2チャネルと、EtherCATデバイスインタフェースを搭載したことで、モータ制御機器に対して、遠隔からの操作、同期動作、機器の故障検知などさまざまな価値を付加することができるようになるともしている。

最大1MBのMRAMを搭載

加えて、最大1MBのMRAMを搭載。これは従来のフラッシュメモリと同等の速度でアクセス可能であり、ハイエンドMPUが外付けのメモリにアクセスしてプログラムを起動するより早い起動を可能とするほか、部品点数を削減することもできるようにするという。このほか、Cortex-M85向けに256KB、Cortex-M33向けに128KBのTCM(密結合メモリ)を備えており、これによりジッタを抑えて高精度なリアルタイム性能が実現でき、多数の割り込みや分岐を伴うモータ制御処理においても安定した動作を可能にするとしている。

このほか、同製品には最大300MHzのPWM機能に対応したタイマ機能を搭載。インバータ駆動向けに最適化されたGPTタイマの相補PWM機能により、複数相(単相・三相を含む)の相補PWM出力、自動デッドタイム挿入、非対称PWM生成、A/Dコンバータやコンパレータとの連動など、制御アルゴリズムの実装を容易にするほか、位相計数モードも搭載しており、二相パルスエンコーダを用いた軸位置情報が必要なACサーボの制御にも対応できるという。

なお、同製品は176ピンHLQFPならびに224/289/303ピンBGAで提供され、すでに量産を開始しているという。