SamsungとSK hynixがDDR4のEOLを延期の可能性

旧世代のメモリ半導体であるDDR4 DRAMの価格が新世代のDDR5 DRAMよりも高い状況が続いていることもあり、Samsung ElectronicsとSK hynixが計画していたDDR4の生産終了(EOL)を2026年まで延期することにした模様であると韓国と台湾の複数メディアが報じている。

韓国半導体業界筋の情報によると、SamsungはもともとDDR4のEOLを2025年中としていたほか、SK hynixも最近、DDR4のEOLの延期を顧客に伝えたという。SK hynixは、特に古い生産ラインを多く備えている中国 無錫工場でDDR4の生産を増やすこととした模様である。

米トランプ政権は8月末、SamsungとSK hynixに対して米国製の半導体製造装置の輸出優遇措置を廃止すると通告したが、DDR4については例えばSK hynixの無錫工場では減価償却の終わった古い生産ラインでの増産となる見込みのため、規制の影響を直接的には受けない。

未だ根強く残るDDR4に対する需要

2013年に登場したDDR4は、徐々にDDR5に置き換えが進んでいることもあり2025年中の生産終了をDRAM大手3社ともに計画し、その分の生産能力をHBMに充てることを目論んでいた模様である。ただ、HBMは通常のDRAMの約3倍のウェハを使用するとも言われており、HBMの生産量を増やした結果、DDR4向け生産能力が減少することとなった。台湾勢や中国勢がその代わりを担うことが期待されていたが、中CXMTもDDR4の生産を2025年中に終えてDDR5に移行するという話がでたことなどもあり、コンシューマや一部のPCなどで需要が残っているDDR4の価格が急騰することとなった。

その結果、安価だったDDR4の価格がDDR5を上回る反転現象が発生。結局、DRAMメーカー各社は減価償却が終わっていることも含め、収益性が改善されたDDR4の生産継続に舵を切りなおすこととなったといえる。

TrendForceによると、DDR4 16GB(2GB×8)のスポット価格は、2025年6月にDDR5 16GB(2GB×8)のスポット価格を上回ってから、3か月間上昇しており、価格差は6月の7.01ドル(DDR4)対5.85ドル(DDR5)から8月には8.59ドル(DDR4)対6.17ドル(DDR5)と広がったという。

これは、サーバ用DDR4への需要は依然として強く、AIデータセンターへの投資が高止まりしていることがあるためだという。そのためTrendForceでは、DDR4 DRAM市場は少なくとも2025年下半期中は供給不足と価格の上昇が続く見込みだとしている。

Micronは計画通りに終了か?

DRAM大手3社のうち、残るMicronTechnologyについては当初の計画のまま遂行される模様である。同社は6月、DDR4とLPDDR4のEOL通知を顧客に行い、DDR4の出荷を数か月以内に終了させる見込みとしている。

なお、業界の一部からは、DDR4の価格反転は長続きしないと見る向きもある。かつてDDR2がDDR3に取って代わられた際もDDR2の価格上昇が起きたが、約4か月ほどで異常な価格変動は解消されたとのことである。SK hynixも7月24日の決算説明会にて、同様の見解を示しており、最近のDDR4価格の急騰について「供給懸念に起因する短期的な需要の急増」と説明している。