TSMCは7月17日、2025年第2四半期(4〜6月期)の決算を発表した。
それによると同四半期の売上高は前年同期比38.6%増(前四半期比11.3%増)の9337億9200万NTドル、営業利益は同61.7%増(同13.8%増)の4634億2300万NTドル、純利益は同60.7%増(同10.2%増)の3982億7300万NTドルとしており、いずれも市場予想を上回る結果となった。
またドルベース換算では、売上高は前年同期比44.4%増(前四半期比17.8%増)の300億7000万ドルとなり、3か月前に同社が示したガイドラインの284〜292億ドルを上回る結果となった。AI需要が予想以上に好調に推移していることがうかがえる。
第2四半期の売上高の74%を占める先端プロセス
同四半期のプロセス別売上高比率は、3nmが24%、5nmが36%、7nmが14%で7nm以下の先端プロセスで全体の74%を占めている。第1四半期は同73%で、3nmが2ポイント増加、7nmが1ポイント減少と大きな変化はなかった。
また、プラットフォーム別の売上高比率は、HPCが60%、スマートフォン(スマホ)が27%、IoT5%、車載5%、Digital Consumer Electronics(DCE)が1%で、四半期成長率はHPC14%、スマホ7%、IoT14%、車載0%、DCE30%、その他6%としている。
地域・国別の売上高比率は北米が75%、中国9%、アジア・太平洋9%、日本4%、欧州(EMEA)3%で、前四半期から北米が2ポイント減となった代わりに中国が2ポイント増としている点が注目される。
通年売上高を前年比3割増に上方修正
なおTSMCは、2025年第3四半期(7~9月期)の連結売上高ガイドラインを318〜330億ドルとしている。第2四半期比では5.8%〜9.7%増と予想していることになる。また、第3四半期の粗利益率を55.5〜57.5%、営業利益率は45.5〜47.5%と予測している。さらに、2025年通年の売上高について、前年比30%前後の成長との予測を示した。これまで同社は2025年通年の成長率を20%台半ばとの予想を示していたので、上方修正したことになる。背景にはAI需要の好調が持続するとの見方があるようである。