• (写真)ブース全体

2025年12月17日〜19日、半導体産業に関する国際展示会「SEMICON Japan 2025」が東京ビッグサイトで開催された。空前の活況を見せる半導体業界において、ひときわ大きな存在感を放っていたのが、プラチナスポンサーとして過去最大規模のブースを構えたSCREENグループだ。

半導体洗浄装置のリーディングカンパニーとしての揺るぎない地位を維持しながら、後工程分野への攻勢、そして米国への新たな研究開発拠点の設立と、さらなる成長への布石を次々と打つ同グループ。本記事では、SCREENセミコンダクターソリューションズ(以下、SCREEN SPE)およびSCREENホールディングス(以下、SCREEN HD)の担当者の言葉とともに、SCREEN SPEが示した3つの進化とSCREENグループが描く未来への展望を紐解いていく。

快適さを追求したブース設計と、圧倒的なプレゼンス

  • (写真)集合写真

    (左から)SCREENセミコンダクターソリューションズ R&D戦略統轄部 情報戦略部 前田主悦氏、岩本花子氏

今回、SCREEN SPEは南展示棟、SCREEN HDは東展示棟と西棟アトリウムにブースを展開した。目を引いたのは、その広さと設計思想だ。例年、SCREEN SPEのブースは多くの来場者を受け入れるオープンな設計が特徴だったが、今回はあえて入口と出口を明確に設けた。この意図について、SCREEN SPEの岩本氏は「年々来場者が増えるなか、どうしてもブース内が混雑しがちでした。今回はあえて動線を整理することで、お客さまとの大事な商談の場として、何より『お客さまに快適に過ごしていただきたい』という思いを優先しました」と語る。

実際にブース内では、団体来場者向けの専用スペースを新設し、タブレットにミラーリングすることでコンテンツを効率的に共有できる仕組みを導入するなど、混雑を緩和しながらじっくりと対話ができる工夫が凝らされていた。

  • (画像)角の3Dスクリーン

また、ブースには3D映像が映し出される巨大スクリーンも設置。今回新たにホログラムを駆使した展示などもあり、最先端技術と企業の未来像を視覚的に伝えるランドマークとなっていた。

  • (写真)ホログラム

    今回新たに展示したホログラム

3つの進化で読み解くSCREEN SPE

今回の展示においてSCREEN SPEは、長年培った洗浄技術の実績を基盤としつつ、AI時代の後工程需要に応える新製品の発表や、米国での開発拠点設立など、企業の成長を加速させる3つの進化を提示した。

1. 「市場が追いついてきた」——後工程を革新する新製品「DW-3100」

今回の展示における最大の目玉は、SCREEN SPEが発表した新製品、後工程用直接描画装置「DW-3100」 だ。これが、同社が提示する1つ目の進化である。

DW-3100の開発の背景には、AI需要に伴うパッケージの大型化がある。同社の前田氏は「AI半導体の進化により、パッケージ基板は巨大化しています。現在主流となっているステッパー方式の露光装置では、大型パッケージにおいて露光ショット間のつなぎ目における精度や、複数のマスクを管理する手間とコストが課題となります」と市場の変化を解説する。

これらの課題を解決できるものとして注目されるのが、マスクを使わずに直接描画するダイレクトイメージング技術だ。DW-3100は光学系を刷新し、業界最高水準となる解像度1μm以下を実現した。

  • (写真)DW-3100の展示

実は、同社は2011年から直接描画装置を手掛けてきたパイオニアでもある。

「以前は我々の技術が早すぎて、市場ニーズとマッチしない時期もありました。しかし、少数精鋭のチームで10年以上技術を磨き続けてきた結果、AI時代の到来とともに『ようやく市場が追いついてきた』と感じています」(岩本氏)

この言葉どおり、ブースには多くの技術者が訪れ、同社の先見性と粘り強い開発力が実を結んだ瞬間を目の当たりにしていた。

2. 洗浄装置累計1万5000台の金字塔と、50年の信頼

2つ目のポイントは、SCREEN SPEの主力である洗浄装置の圧倒的な実績だ。1975年に半導体製造装置事業に参入し、歩みを始めてから50年、洗浄装置の累計出荷台数が1万5000台を突破した。

岩本氏は「50年という長い歴史のなかで、1万5000台もの装置を送り出せたのは、お客さまやステークホルダーの皆さまと築き上げてきた『信頼』があってこそです」と感謝を口にする。

長年蓄積された膨大なプロセスデータとノウハウは、現在の最先端プロセスにおいても競争力の源泉となっている。

  • (写真)洗浄装置累計1万5000台のパネル

3. グローバル開発の加速、米国新拠点「ATCA」始動

3つ目の進化は、グローバルな研究開発体制の強化だ。SCREEN SPEは12月16日、米国ニューヨーク州の半導体研究開発支援機関「NY Creates」と提携し、アルバニー・ナノテク・コンプレックス(Albany NanoTech Complex)内に新たなプロセス開発拠点「ATCA(SCREEN Advanced Technology Center of America)」を開設することを発表した。

  • (写真)米国新拠点「ATCA」

    米国新拠点「ATCA」

これまでSCREENグループの研究開発は、マザーファクトリーである滋賀県彦根市の「PTC(プロセス技術センター)」が中心的な役割を担ってきた。今回、世界的な半導体R&D(研究開発)のハブであるアルバニーに拠点を設けることで、PTCとATCAの日米2極体制が確立する。

ATCAでは、同社のコアであるウェーハ洗浄装置に加え、熱処理やアドバンスドパッケージング向けの装置も設置される予定だ。現地にクリーンルーム環境を持つことで、欧米の主要顧客やパートナーと物理的な距離を縮め、次世代プロセスの共同開発をダイレクトに行えるようになる。

前田氏は今後の展望について「欧米のお客さまと膝を突き合わせて開発することで、ニーズを即座に汲み取り、技術開発のスピードを劇的に上げることができます。ATCAで要素技術や製品開発力を強化し、それを彦根のPTCと相互に連携させることで、グループ全体の技術革新を加速させていきます」と力強く語った。

SCREENグループは、2033年3月期にグループ全体で売上高1兆円以上を達成するという目標を掲げている。DW-3100のような新規市場へのアプローチに加え、このグローバル拠点の設立が、事業領域拡大の強力なエンジンとなることは間違いないだろう。

  • (写真)商品模型

後工程向け製品ラインナップを拡充——塗布乾燥装置の新モデルを発表

  • (写真)ホールディングスの全体ブース写真

    SCREEN HDのブース

東展示棟のSCREEN HDブースでは、半導体先端パッケージ専用の直接描画装置「LeVina」や、塗布乾燥装置「Lemotia」など、半導体後工程向けのラインアップを一堂に紹介。さらに、Lemotiaでは新たに追加した動画を上映し、来場者に分かりやすく魅力を伝える展示も実施。前工程から後工程まで、グループの総合力でカバーできる強みを印象づけている。

SCREEN HDの川島氏は、今回の見どころとしてLemotiaのラインアップ拡充を挙げる。

「半導体チップの効率的な取り数を考え、ウェーハでのプロセスを四角いガラス基板(パネル)でのプロセスへ移行する動きが加速しています。今回我々はLemotiaのラインナップに、小型パネル向け装置『LM-3000』を追加しました。昨年から販売をしているLM-6000は600mm角および510×515mmのパネルに対応しており、今回新たに発表したLM-3000は310mm角および300mm角のパネルに対応しています。」(川島氏)

  • (写真)Lemotiaの最新動画

今回のSCREEN HDの展示は後工程が中心だが、以前は前工程に比べて後工程の展示は注目度が低かった。しかし、近年は後工程も注目され始め、今年は昨年と比べてさらに注目度が上がっていると実感しているとも川島氏は語っていた。

事業を通じた社会課題解決を——球体ディスプレーが映し出す"輝く未来"

また、西棟アトリウムのサステナビリティ展示エリアでは、「Innovation for a Sustainable World」のスローガンのもと、SCREENグループ全体のサステナビリティへの取り組みが紹介された。階段を下りてすぐ目に入る、サステナビリティ戦略などを示した4枚のテーマ別パネルと、女優の見上愛さんが出演するCM『輝け、未来。編』を投影した球体ディスプレーが、150年以上の歴史を持つ同グループの総合力を物語る。

  • (写真)サステナ展示

サステナビリティ企画室の吉仲氏は「我々のサステナビリティ活動の原点は、『事業を通じた社会課題の解決』です。社会的価値と経済的価値の両立(CSV)を追求し、スーパーグリーンプロダクツのような環境性能の高い製品の提供、さらに事業の枠を越えた社会貢献とステークホルダーとの共創によって、持続的な成長につながると考えています」と語る。

同企画室の上田氏も「展示では、SCREENグループの技術力と総合力が、いかに社会課題を解決し、未来の可能性を広げているかを感じていただきたいです。また、社会貢献も含め、ESG各側面から多角的にサステナビリティに資する施策を展開し、それが社員の働きがいも高めている、そのような働く環境としての魅力も、多くの学生さんや来場者に伝えたいですね」と、展示に込めた思いを語ってくれた。

実際、展示にはサステナビリティ活動に関心を持つ方だけでなく、学生やIR関係者など、幅広い来場者が熱心に内容を見ていた。

  • (写真)サステナボール

未来を担う人材育成と1兆円企業への飛躍に向けた、確かな一歩

事業拡大には技術革新だけでなく、人材育成も不可欠だ。近年、半導体不足の報道をきっかけに、「日本の強み」として業界への注目度が高まっている。SCREENはこうした流れを背景に、学生向けの工場見学会の開催や学会・大学イベントへの積極的な参加、情報発信を強化し、次世代人材との接点を広げている。

こうした取り組みもあり、SCREENグループのブースは連日多くの来場者で賑わい、特に学生や若手技術者の熱量の高さが印象的だった。若手技術者は製品や企業の将来性に注目し、学生は「自分の学びがどこで生かせるのか」という視点で展示を見ていた。

  • (写真)ブース内での説明会の様子

「今年は、昨年と比べてブース訪問者数が大幅に増加しました。数年前までは学生の訪問は数十名でしたが、今回は自発的に興味を持って来てくださる方が増え、数百名もの学生が熱心に話を聞いてくれている印象です。また、IR関係者の訪問も想定以上に多く、市場での注目度が高まっていることも実感しています。商談室も連日すべての枠が埋まるほどの盛況ぶりです。」(岩本氏)

今回の展示を通じて見えてきたのは、盤石な洗浄技術を基盤としつつ、後工程やグローバル展開という新たな領域へ果敢に挑戦するSCREENグループの姿だ。

「グループの総合力を活かし、洗浄以外の領域も取り込んでいく一体感こそがSCREENの強みです」という岩本氏の言葉が印象的だった。SEMICON Japan 2025は、同グループが次なるステージへと進化する確かな一歩を示す場となった。

  • (写真)全体のブース写真

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