トレンチベースのSiCスーパージャンクション技術を開発

Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は、SiCパワーデバイス向けの新たな技術としてトレンチベースのSiCスーパージャンクション(TSJ)技術を開発、第1弾製品として1200V品の提供を計画していることを明らかにした。

同技術は、同社のSiCとSiベースのスーパージャンクションテクノロジー(CoolMOS)で得たノウハウをもとに、トレンチ技術とスーパージャンクション設計の利点を組み合わせたもので、同社のID-PAKパッケージを採用することで、最大800kWの電力レベルをサポートすることを可能とするという。

  • ID-PAKパッケージ

    ID-PAKパッケージの外観 (出所:Infineon)

また、技術的な特長について同社では、RDS(on)×Aが最大40%向上することによる電力密度の増加を挙げており、これにより同じ電力クラス内でよりコンパクトな設計が可能になるとする。

さらに、ID-PAKの1200V SiC TSJ品では、短絡耐性を損なうことなく、メインインバーターの電流能力を最大25%向上させることができるようになるともしている。

車載用トラクションインバーター向けに活用

この1200V SiC TSJ品は、車載用トラクションインバーター向けという位置づけで、初期サンプルは現在、特定の自動車ドライブトレインの顧客向けに提供されているという。採用企業の1社として同社では現代自動車の名前を挙げており、現代の開発チームはSiC TSJ技術のメリットを活用することで、自社のEV製品の強化を図っていくことを目指すとしている。

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