Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は、電気自動車(EV)向けにSiとSiCの組み合わせを実装したプラグ・アンド・プレイ(PnP)パワーモジュール「HybridPACK Drive G2 Fusion」を発表した。
パワーモジュールにおけるSiとSiCの主な違いの1つとして、SiCは高熱伝導率、高いブレークダウン電圧、高速スイッチング特性に優れていることによる高い効率の実現がある一方、Siベースのパワーモジュールと比べて高価という課題がある。同パワーモジュールは同社のCoolSiCテクノロジーとSi IGBT EDT3テクノロジーの特長の両方を兼ね備えることを目指して開発されたもので、これにより車両1台あたりのSiC使用量を削減し、システムコストを抑えながら車両の性能とエネルギー効率を維持することができると同社では説明しており、例えばシステムサプライヤは、30%のSiCと70%のSi面積の組み合わせにより、フルSiCソリューションとほぼ同等のシステム効率を実現できるようになるとしている。
また、750Vクラスで最大220kWまで対応できるほか、-40℃~+175℃の全温度範囲にわたって高い信頼性が確保され、熱伝導性も従来ソリューション比で向上しているとするほか、シングルもしくはデュアルゲートドライバが使用できるため、フルSiまたはフルSiCベースのインバータからフュージョンインバータへの再設計を容易に行うことが可能だという。